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Thursday, April 23, 2020

EU首脳、復興基金で合意 規模・財源は持ち越し - 日本経済新聞

【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)の加盟国首脳は23日、テレビ会議を開き、新型コロナウイルスの感染が収束した後の経済対策について復興基金を設けることで合意した。各国が徐々に店舗の営業規制などの緩和に踏み出す中、経済への影響を最小限に抑えたい考えだ。だがユーロ共同債(コロナ債)といった財源や、基金の規模についての詳細には踏み込まず、合意は次回以降に持ち越した。

EU首脳のテレビ会議終了後に記者会見するフォンデアライエン欧州委員長(左)とミシェル大統領(ブリュッセル)=ロイター

EU首脳のテレビ会議終了後に記者会見するフォンデアライエン欧州委員長(左)とミシェル大統領(ブリュッセル)=ロイター

「この基金は十分な規模を備えていなければならない」。EUのミシェル大統領は会議終了後の記者会見で力説した。復興基金は、移動の自粛などで影響を受けた観光業や航空会社、生産停止を余儀なくされた製造業などを支援し、幅広い経済活動を通常の軌道に戻す目的がある。

国際通貨基金(IMF)が14日公表した予測ではユーロ圏の20年の実質成長率は前年比マイナス7.5%だ。いかに新型コロナの悪影響を抑え込むかが課題だ。基金の規模は1兆~2兆ユーロ(約116兆~232兆円)超の案が浮上する。メルケル独首相は「ドイツは十分な貢献をする準備がある」と語るなど、加盟国間には未曽有の危機に大規模な対応が欠かせないとの一定の共通認識はある。

だが財源を巡っては深い溝が横たわる。首脳は2021~27年のEU中期予算のもとで復興基金を準備することで一致。中期予算はEU各国が経済力などに応じて拠出するが、危機に対処するため、増額が必要との方向性もおおむね共有した。

「重要なのは(基金が)共同で保証された債務によってまかなわれることだ」。マクロン仏大統領はテレビ会議後に訴えた。仏伊スペインは経済復興にユーロ共同債(コロナ債)を発行すべきだとの立場だ。さらに各国の支援の形では融資ではなく、補助金にすべきだと主張する。

「倹約4カ国」と呼ばれるオランダやオーストリアなどはユーロ共同債に慎重姿勢を崩さない。ユーロ圏共通の債券は、財政に余裕がある北部欧州の高い信用力をもとに発行される。だが債務の共通化は財政面で苦しい南欧の借金の肩代わりになり、簡単には認められない。ドイツもおおむね同じ歩調だ。支援形態では補助金でなく、返済される融資に重きを置く。

EUの欧州委員会は5月上旬に中期予算と基金の概要を示す予定。フォンデアライエン欧州委員長は記者会見で環境やデジタル分野を中心に経済再生を目指すと表明したうえで各国に協調の重要性を訴えた。財政規律を重視する北部欧州と南欧の対立が長引けば対応が後手に回りかねない。

複数の欧州メディアによると、会議に出席した欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は「経済を守るには(対策が)小さすぎて遅すぎるリスクがある」と首脳らに警告した。危機に見舞われたときは加盟国の利害が対立し、最後の最後まで決められない弱点を露呈してきたEU。足元では南欧国債の利回りは上昇(価格は下落)に転じている。手遅れにならないうちに具体策を打ち出せるか、正念場を迎えている。

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April 23, 2020 at 02:20PM
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