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Tuesday, November 17, 2020

RCEP合意 暮らしへの影響も説明を | 社説 | コラム - 熊本日日新聞

 日本と中国、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)、オーストラリアなど15カ国が「地域的な包括的経済連携(RCEP)」協定の締結で合意し、署名した。関税削減や統一的なルールによる自由貿易を推進していく。

 日本にとって貿易額が1位の中国、3位の韓国が含まれる初の経済連携協定(EPA)だ。15カ国の人口と国内総生産(GDP)を合わせると、それぞれ世界全体の3割を占め、最大級の経済圏が誕生することになる。

 協定は日本が進めてきた一連の自由貿易交渉の集大成とも位置付けられる。TPP(環太平洋連携協定)、欧州連合(EU)とのEPA、日米貿易協定などとともに、自由貿易圏をほぼ世界全域に築くことになる。貿易額に占める自由貿易協定のカバー率は5割強から8割に上昇する。

 新型コロナウイルスの流行で世界経済は低迷している。「コロナ後」の経済を構築する上でも重要な役割を果たそう。ただし、アジア太平洋地域で存在感を増す民主主義国家のインドが参加していない。経済・軍事両面で覇権主義的な動きを強める中国の影響力が増す懸念も残されている。

 発効にはASEAN10カ国とそれ以外5カ国の、それぞれ過半数の批准が必要。日本も来年通常国会に承認案を提出する予定だ。

 協定では、関税は参加国全体で91%の品目について段階的に撤廃する。日本の工業製品の最終的な撤廃率は91・5%で、輸出企業にとっては大きな追い風となる。

 一方、日本が輸入する農林水産品の関税撤廃率は49~61%。コメ、麦、牛豚肉、乳製品、砂糖の重要5項目は対象外とし、国内生産に配慮した。

 政府は輸入について、過去のEPAの範囲内に抑制され「国内農林水産業への影響はない」としている。しかし自由貿易が8割に達しようとする中、暮らしにはどんな影響があるのか、しっかりした検証と説明が必要だろう。

 政府は農産物の輸出に向けた取り組みも後押しするとするが、高齢化、過疎化に直面する中山間地農業の今後についてもきめ細かな対応が求められる。

 投資ルールでは中国が加入する協定としては初めて、政府が進出企業に技術移転を要求することを禁じた。電子商取引(EC)や知的財産保護について一定の国際ルールが適用されることになる。ただ、中国の不公正な経済慣行は多く残されており、国営企業への行き過ぎた補助金などの問題は手付かずのままだ。

 RCEPには対中外交と安全保障上の戦略的な狙いも含まれる。日本にとって当面の課題はインドの加入に向けたリーダーシップだろう。インドが離脱した背景には国内産業を保護する政策の他、対中貿易赤字拡大への懸念などがあるとされるが、協定はインドが早期復帰できる特別措置も設けている。「自由で開かれたアジア太平洋」の実現のためにも、日本は粘り強く説得を続けたい。

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