【ロンドン=広瀬誠】英議会は12月30日、欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)など、将来関係に関する合意の実施法案を可決した。法案はエリザベス女王の裁可を受けて成立した。英国とEUは英国時間31日午後11時(日本時間2021年1月1日午前8時)から、合意に基づいた新しい関係をスタートさせる。国民投票による決定から4年半を経て、名実共に英国のEU離脱が完了する。
英国は20年1月末にEUを離脱したが、急激な変化を避けるため、12月末まではEU加盟国と同等の扱いを受ける「移行期間」に入っていた。移行期間後の関係を決めるための英EUの交渉は難航し、決裂で経済が混乱する事態も危惧されたが、時間切れ間近の12月24日に合意した。
合意は英EUが関税ゼロの貿易を続け、漁業や交通、エネルギーなど幅広い分野での協力を維持する内容だ。英国はEUの単一市場から抜けるため、人の移動の自由はなくなり、国境では税関検査が始まる。当面は物流の混乱なども懸念される。
英下院と上院は30日、合意内容の実施法案を審議した。ジョンソン首相は審議前に下院で、「英国とEUが対等な関係となり、互いの自由を尊重するという我々の展望を具体化するものだ」と説明した。与党・保守党の強硬離脱派が賛成しただけでなく、最大野党・労働党も「合意なしの離脱」の混乱を避けるため賛成に回ったことで、法案は圧倒的な賛成多数で可決された。
EU側は、欧州議会による十分な審議時間がとれないため採決は後回しにした。加盟国の合意を得て21年2月末まで合意内容を暫定的に発効させる。ジョンソン氏とEUの執行機関・欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長は30日、合意文書に署名した。
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