国際原子力機関（IAEA）の定例理事会が1日、オンライン形式で始まった。2015年に欧米などと結んだ核合意で定められた義務からの逸脱を強めるイランに対し、欧米側で非難決議の採択を目指す動きが出ている。一方、イランは決議が採択された場合、必要な査察を受け入れるというIAEAとの合意を破棄すると警告している。
ロイター通信によると、英仏独は、イランがIAEAの抜き打ち査察受け入れを停止したことなどについて「深刻な懸念」を表明する非難決議案を用意し、米国も支持しているという。ロシアは、決議の採択はイランの核合意への復帰を阻害する可能性があるとして反対している。
IAEAのグロッシ事務局長は1日の記者会見で、「決議の採択は加盟国が決めること」としたうえで、IAEAによる査察の必要性を訴えた。
イランは2月23日、IAEAによる抜き打ち査察を認める「追加議定書」の履行を停止したが、グロッシ氏との間で、一時的措置として最大3カ月は必要な査察を継続できることで合意した。イランは決議が採択されれば、合意を撤回すると警告している。【ベルリン念佛明奈】
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