児童相談所の職員という立場を悪用し、保護した少女にわいせつな行為をするなど言語道断である。子供に対応する際のルールを改めて徹底し、再発防止に努める必要がある。
横浜市内の児相に一時保護されていた高校生と中学生の少女に性的な行為をしたとして、20歳代の職員の男2人が児童福祉法違反容疑などで神奈川県警に逮捕された。容疑を認めているという。
2人の職員は、少女らの直接の担当ではなかったが、退所後の少女らとSNSを通じて個人的に連絡を取り合っていたという。
少女らは「相談に乗ってほしかった」「(職員との)関係を壊したくなかった」などと話しており、性的な関係になることは望んでいなかったとされる。信頼を逆手に取り、少女らの心身を深く傷つける行為だと言える。
一時保護所は、虐待を受けたり、非行に走ったりした子供を一時的に預かる施設だ。多くが児相に併設され、職員が常駐している。保護した子供と職員が個人的に連絡を取ることは禁じられている。
逮捕された2人は、児相に配属された後、現場研修を2週間受けただけで、一時保護中の子供たちの生活・学習指導を担当していたという。保護した子供との適切な距離の取り方を、きちんと理解していなかったのではないか。
虐待の深刻化に伴い、一時保護所の保護件数は増えている。2019年度は2万7800件で、5年前より5800件増えた。各地の児相では、人手不足解消のため職員の増員に努めている。人材の質の確保は喫緊の課題だ。
一時保護所では近年、職員による子供へのわいせつ事件が相次いで発覚している。外部の目が届きにくい環境が、被害を生む一因になっているのだろう。
職員のSNS利用にも注意が必要だ。逮捕を受け、横浜市が市内の児相職員全員に聞いたところ、子供から個別に連絡先を聞かれたケースがあったという。個人的に連絡は取り合わないという原則を順守させることが大切だ。
多くの児相職員は真面目に職務に取り組んでいるが、こうした事件が続けば信頼が失われる。虐待などに苦しむ子供をさらに傷つけることがないよう、高いモラルを持って仕事に臨んでほしい。
学校現場では、子供にわいせつ行為をした教員を再び教壇に立たせないための新法が成立した。子供を保護する施設についても同様に、不適格な職員を排除する仕組みを検討すべきではないか。
からの記事と詳細 ( 児相職員逮捕 保護した少女の信頼裏切った - 読売新聞 )
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