ついて来ないで!
先日Apple(アップル)はトラッキングの恐ろしさを描いたコマーシャル「追跡」を公開しました。サードパーティ製(アップル純正ではない)アプリが擬人化し、個人情報を抜き取ろうとユーザーを追いかけ回すちょっと不気味なこのCM。
でも、実はこれ、他人事じゃないんです。
これまでサードパーティ製アプリはユーザーの許可なしにアクティビティを追跡し、ターゲティング広告を表示してきました。しかし、iOS 14.5で追加されたプライバシー強化の新機能により、この流れが大きく変わったのも事実です。アップルが考えるプライバシーとは基本的人権。「自分のデータを誰に提供するかは自分が決められるべき」というわけです。
ごく普通の男性がたくさんの人間に追いかけられる様子は、サイトやアプリによるトラッキング(追跡)を表現したもの。大切な明細書を横から覗かれたり、スーパーで購入した医薬品まで誰かに見張られてたなんて思ったら、正直気味悪いですよね。
ちなみにこのCMで流れる楽曲「Mind Your Own Business 」は、直訳すると「余計なお世話」。プライベートなことなんだからほっといてよ! まさにその通りです。
「アプリのトラッキングの透明性」って何?
そこでアップルはどこまでもユーザーを追いかけるトラッキングを防止するために、iOS 14.5のリリースと同時に「アプリのトラッキングの透明性」と呼ばれる新しいプライバシー機能を追加しました。まずはこちらの動画をどうぞ。
トラッキングを「許可する」か「しない」かはユーザー次第
「アプリのトラッキングの透明性」機能が追加されたことで、iOS 14.5以降を搭載するアップル製デバイスでサードパーティ製アプリを開くと、「“(アプリ名)”が他社のAppやWebサイトを横断してあなたのアクティビティを追跡することを許可しますか?」というメッセージが表示されるようになります。
「Appにトラッキングしないように要求」を選択すると、そのアプリのデベロッパ(開発元)は、今後ユーザーの行動をトラッキング(追跡)できなくなります。これによりユーザーは、ターゲティング広告に自分のデータが利用されるのを防げるようになるわけです。
ちなみにiOS 14.5をインストール済みの米国のiPhoneユーザーのうち、96%が「Appにトラッキングしないように要求」を選択したとのことです。
メリットが大きいと言えるこのプライバシー機能ですが、デメリットを挙げるとしたら自分に合った広告が今後表示されなくなるとかですかね…。
では、逆にトラッキングを「許可」すると何が起きるのか? アップルはユーザーがトラッキングを許可することで、サードパーティ製アプリは個人を特定するような情報を収集するだけでなく、ターゲティング広告に利用したりデーターブローカーにデータを共有したりすると説明しています。なのでトラッキングを許可すると、そのアプリでは今後も広告が表示されるというわけです。
アップルの取り組みはプライバシーのみならず
全世界で15億台以上のデバイスが使用されているアップル製品。世界中で多くのユーザーが使うデバイスだからこそ、アップルはプライバシー機能のみならず、環境保護、アクセシビリティの強化に力を注いでいます。
環境面では気候変動に関するアップルの約束として、2030年までに100%カーボンニュートラルを目指すと発表。アクセシビリティに関してはさまざまなユーザーがデバイスを快適に使えるようにと、日々革新的な機能が追加されています。iPhoneやMacが声だけで操作できる音声コントロールや背面タップがその例ですね。
iPhoneやiPad、Macなどのアップル製品が毎日安心して使えるのは、プライバシー機能が大きな役割を果たしているともいえます。まもなく開催予定のWWDC 2021では次期OSの発表に加えて、もしかすると「One more thing」でアップルの新たな取り組みについて発表されたりするかもしれませんね! 乞うご期待です。
Source: YouTube (1, 2) via Apple, MacRumors
からの記事と詳細 ( アップルのトラッキング防止機能はユーザーが「選択」できる新しいもの - ギズモード・ジャパン )
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科学&テクノロジー
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