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Thursday, June 24, 2021

野良猫の不妊手術後に地域で世話「さくらねこ」拡大 餌付けと誤解、住民トラブルも - 岐阜新聞



喫茶店で保護されている猫の秋ちゃん。耳先が小さくV字にカットされた「さくらねこ」だ=加茂郡川辺町上川辺、秋月

喫茶店で保護されている猫の秋ちゃん。耳先が小さくV字にカットされた「さくらねこ」だ=加茂郡川辺町上川辺、秋月

 捨て猫や野良猫の殺処分を減らそうと、猫を保護する活動が可茂地域で広がっている。だが、活動は住民に広く浸透しておらず、単なる餌付けと勘違いされてトラブルになる場合もあり、関係者は「多くの人に活動の意義を知ってもらいたい」と話している。

 岐阜県加茂郡川辺町上川辺にある喫茶店「秋月」には、秋(しゅう)ちゃん、橙(だい)ちゃんと名付けられた2匹の猫が保護されている。2匹とも耳先が小さくV字にカットされた「さくらねこ」。この耳は、野良猫ではあるが不妊去勢手術を受け、餌やりなどのルールを守れる世話人がいるという「目印」で、耳先が桜の花びらのような形になっていることから「さくら耳」と呼ばれる。さくらねこ活動は全国的に広がっている取り組みで、繁殖力が強く多頭になりやすい猫を安全に捕獲し、不妊去勢手術をさせて、元の場所に戻す。さくら耳は、再び捕獲されて手術をされないために施される。

 2匹の面倒を見るのは、店員の村雲美香さん(54)。村雲さんは、可茂地域を中心に猫の保護に取り組むグループ「スマイル キャット」の活動を手伝っている。村雲さんが店で保護したのは秋ちゃん、橙ちゃんを含め、2年間で14匹。大半は捨て猫で、現在は新しい主人に譲渡されて、元気に暮らしている。

 保護活動には、餌付けが必要な場合がある。人間を強く警戒する野良猫を捕獲することは容易ではないからだ。だが、トラブルにつながることもあり、村雲さんは「野良猫を増やす行為と誤解して怒る人もいる」と話す。グループへの相談には、駆除を求めるものもあり、「活動の趣旨を理解してもらっていないと感じることが多い」という。

 可児市鳩吹台地区では昨年、「鳩吹地域猫サポーター」が結成された。地区限定の活動で、住民8人が急増した野良猫に対応するため、さくらねこ活動を進めている。

 飼い主のいない猫の不妊去勢や排せつ物処理などの管理を住民同士で協力して行う「地域猫」活動は、住民間の合意や世話の継続性に課題があり、実現のハードルは高い。鳩吹台の場合は「地域猫」とは違うオリジナルのパターンだ。

 昨年1年間で不妊去勢したのは47匹。費用は、地域住民からの寄付で賄った。代表の鈴木恵美子さん(44)は「回覧で報告やお知らせをしており、住民に活動が認知されている」と話し、保護猫活動は住民間のコミュニケーションが大切と指摘する。だが、こうした活動も地域から一歩出れば誰も知らない。鈴木さんは「餌をやるから悪いという人はまだ多い」と、誤解を受けやすい活動の現状を語った。

カテゴリ: くらし・文化 社会



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