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Sunday, July 11, 2021

胸張る知事「橋本聖子会長と事前に会話」…学校観戦へ合意導く - 読売新聞

 東京五輪の観客を巡り、茨城県の大井川知事は8日夜、サッカー競技が行われる県立カシマサッカースタジアム(鹿嶋市)では、「学校連携観戦プログラム」に申し込んだ県内の小中高生に限って観戦を認めると明らかにした。大会組織委員会と合意したという。一般客の観戦は認めない。新型コロナ陽性者の多い1都3県からの人流を抑制し、感染防止も図る狙いだ。

 プログラムは学校などが申し込み、参加する子供は一般客とは別枠に分類される。形式的には「無観客」の開催となる。ただ、競技会場で観戦できることに変わりはなく、事実上の「有観客」とも言える。

 知事は8日夜、オンライン会議に出席し、組織委や会場がある自治体の首長らと観客の有無で意見交換。プログラムを活用した観戦を提示し、組織委の同意を得た。午後9時以降にまたがる試合を無観客とする方針も確認した。

 時間を問わず、県内外の一般客がスタジアムで観戦できないことも決まった。感染対策で首都圏からの来場を防ぐにも、県民か県外住民か区別するのは現実的ではないと判断。一般客を一括して観戦不可とした。

 プログラムには現在、鹿嶋市とつくばみらい市の公立小中学校と県内の私立高校2校の計23校から4007枚分のチケットの申し込みがある。子供たちは22、25、27日のいずれかで1試合を観戦。2試合目は午後10時頃に終了する見込みのため、午後5時頃開始の1試合目に来場する予定だ。

 観客を巡る対応は、開幕の約2週間前にようやく定まった。知事は「安全安心な五輪をどう開催するか知恵を絞ってきた結果。前向きに捉え、大会を盛り上げていきたい」と強調した。

 東京五輪の観客に関する8日のオンライン会議で、県は「学校連携観戦プログラム」を活用した観戦に限るとの対案を大会組織委員会に示し、県立カシマサッカースタジアムの運営で独自性を発揮した。首都圏との近さを意識した感染対策として、「原則無観客」に軸足を置きつつ、観客を入れる方策も模索。単なる「無観客」ではない成果を得た。

 会議で組織委は、緊急事態宣言が再発令される東京都を含め、1都3県の会場を無観客とし、ほかの地域は有観客とする案を明らかにした。知事は、首都圏に近い本県に東京などの観客が来ると懸念。「1都3県からの人流を抑制する対策を講じないと有観客は難しい」と難色を示した。

 一方で知事は、プログラムに申し込んだ県内の子供たちのスタジアム観戦を提案。「学校連携の観客だけに絞るというのが、(有観客開催で)唯一可能性がある」との合意を導いた。

     ◇

 組織委は会議で、観客の扱いについて自治体側に決断を委ねた。「1都3県以外は各県の判断で」。そう告げられ、戸惑う首長もいたという。

 これに対して知事は、会議前に準備を進めていた。〈1〉1都3県の住民をチケット配分の対象から外す〈2〉ワクチンを接種した人に限ってスタジアムでの観戦を認める――。有観客を想定した対策を検討し、「いずれも難しい」と判断。そのうえで、どのような形なら可能なのか、組織委の橋本聖子会長と事前に相談していた。

 「事前の会話をしていたので、学校連携に絞る方針をスムーズに出せた」。会議を終えた知事は、報道陣の取材に胸を張った。

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