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Friday, July 16, 2021

Steam Deck世界初のハンズオンインプレッション――ValveのポータブルゲーミングPCは実際に触ってどうなのか!? - IGN Japan

gugurbulu.blogspot.com

Valveはまったく新しいポータブルゲーミングPC「Steam Deck」を発表した。そして先週、IGNはValveにて、誰よりも早くSteam Deck実機のハンズオンを行うまたとない機会が得られた。筆者は2日にわたって、Steam Deckでさまざまなゲームを数時間ほどプレイできた。そして、価格・性能・形状・機能の素晴らしいバランスに感心せずにはいられなかった。

Steam Deckの性能を試すため、10種類ほどのタイトルをプレイした。一人称視点タイトルの『Doom Eternal』や『Portal 2』、三人称視点の『DEATH STRANDING』、『Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー』、見下ろし視点の『Stardew Valley』や『HADES』などだ。ゲームのグラフィック設定は初期設定で、解像度はネイティブの720pで動作させていたが、ほとんどの場合は問題なく動いていた。熱排出の面でも、Steam Deck本体が持っていて熱くなることは一度もなかった。

私がSteam Deckを目にした時、最初はボタン配置について不安を抱いていた。左右のアナログスティックは、十字キーやフェイスボタン(正面ボタン群)と水平に並べられている。フェイスボタンが斜めに並べられている一般的なコントローラーに慣れていると、不思議に感じてしまうかもしれない。だが、Steam Deckを実際に手に持つと、このボタン配置でまったく違和感なく遊べることがわかった。本体の形状のおかげで、親指をフェイスボタン、十字キー、そしてアナログスティックへ自然に伸ばすことができるのだ。

アナログスティックは標準サイズで正確に動かせる印象だったが、十字キーには私が期待したよりもカチカチとした操作感がなかった。それでも『GUILTY GEAR -STRIVE-』で波動拳コマンドを問題なく入力できるくらいには作りが良い。正面ボタンやトリガーボタンには特に不満はなく、『HADES』を快適に遊び続けることができた。個人的にはトリガーボタンを押しこんだときに柔らかすぎると感じたが、このSteam Deckはまだ開発途中の試作品なのだ。Steam Deckを発売する前に、Valveが本体にさらなる改善を行う余地は残されている。

Steam Deckの裏には4つの背面ボタンが存在する。Xbox Eliteのようなコントローラーに慣れたプレイヤーにはありがたい機能であり、キーボード操作を前提にしているタイトルでは欠かせないものになるだろう。Steam DeckではSteam Input(Valveによって作られた、ほぼすべてのコントローラーで最適なボタン割り当てを使用できるようにするシステム)を採用しているため、あらゆるボタン割り当てを自由に変更することができる。

両方のアナログスティックの下にある高精度トラックパッドは、Steam Deckの目玉機能だ。コントローラーでは遊びづらいタイトルでも、マウスと似たような形で操作することができる。Valveのピエール=ルー・グリフィス氏は、トラックパッドもさまざまな用途のためにカスタマイズできると語った。

「マウスカーソルがトラックパッドで移動できる範囲を指定し、トラックパッドの入力にカーソルが対応するような入力方法にすることができます」とグリフィス氏。

同氏の説明から考えると、RTSタイトルでミニマップを素早くドラッグして移動するような活用ができそうだ。

「ゲーム画面上にポップアップメニューを作成し、そこからさまざまなボタンやキーのマクロ操作を実行することもできます。もちろん、トラックパッドを単純にマウスの代わりとして使用することもできます」

Valve Indexのコントローラーのように、Steam Deckのアナログスティックとトラックパッドには静電容量方式センサーが搭載されている。つまり、ユーザーの手が触れているかどうかを感知できるのだ。Steam Deck内部にはジャイロセンサーも搭載されており、この2つの機能を使えばゲーム内でよりうまく視点移動を行うことができる。慣れるまでには時間が少し必要だが、これらの機能を合わせて使えば視点操作が不思議なほど正確になり、通常のマウスを使用するのとそこまで変わらなくなる。これは『Doom Eternal』のようなFPSでも通用したのだ。

Steam Deckの7インチスクリーンでは、タッチ操作も行うことができる。タッチスクリーン向けのゲームやマウス操作のゲームはもちろん、OS画面を操作するのにも役立つことだろう。

Steam DeckのソフトウェアとOS

Steam Deckの見た目は携帯ゲーム機のようだが、本機の持つ機能はゲーミング用のデスクトップPCに近いものだ。 Steam Deckは改造されたSteam OSをベースに動作しており、表面上はゲーム機のような形で使用できる。だが本機は、実際には完全にPCと同じような形で動作しているのだ。Steam DeckのOSはLinux系のProtonをベースに作られており、ProtonはWindowsとLinuxの両方のゲームやアプリケーションを動作させられる。

この高い柔軟性によって、Steam Deckは一般的なPCで可能なことならほとんど何でもできてしまう。マウスやキーボードも接続できるし、サードパーティ製のプログラムやランチャーも使用できる。Steam OSを消去してWindowsをインストールすることも可能なのだ。

大体のゲームは、特に細かい設定をせずともSteam Deckでプレイできるだろう。ハードウェア面についてはこれから詳しく説明するが、設定を細かく自分好みにしたいプレイヤーも満足することができる。

「ユーザーは操作設定、グラフィック設定、バッテリー設定といったものをカスタマイズできます。Steam WorkshopでMODをダウンロードして使用できますし、Steam Workshop以外で配布されているMODも使用できます。PCゲーマーなら欠かせないこういった機能や設定は、Steam Deckでも全部サポートされています」とグリフィス氏は言う。

クラウドセーブといったSteamの機能も、Steam Deckでまったく同じように使用できる。デスクトップPCでゲームを遊んでセーブして終了し、そのあとSteam Deckでゲームの続きを遊ぶこともできるのだ。ゲームの進行状況、操作設定、DLC、WorkshopでダウンロードしたMODなどは、すべて引き継がれている。Nintendo Switchと似た形で、Steam Deckで遊んでいるゲームを永続的に中断することも可能だ。

Steam Deckは持ち運べるゲーム機として設計されてはいるが、デスクトップPCのように使用することも可能だ。本機にはUSB-C端子が1つあるが、USBハブで端子の数を増やせば、マウス、キーボード、有線LANケーブルといった、さまざまな周辺機器を接続することができる。Valveは別売りとなる、Steam Deck用のドッキングステーションを発売する予定だが、Steam Deckは通常のUSB-Cハブも使用できるのだ。なお、Steam DeckはBluetoothにも対応しており、たとえばアップルのAirPodsも問題なく無線接続することができた。

デスクトップモードのSteam Deckはまるで普通のPCを使っているかのようだ。マウス、キーボード、32インチのモニターをSteam Deckに接続して『Factorio』と『DEATH STRANDING』を遊んでみたが、机の上にSteam Deskがあるのを目にしなければ、ゲームがデスクトップPCで動作していると言われても信じてしまうだろう。

Steam Deskの詳細なスペック

Steam Deckは『DEATH STRANDING』PC版などの2020年に発売されたタイトルも快適に動作させることができ、もちろんグラフィック設定を最低にする必要はない。本機はかなりパワフルだ。Steam DeckにはAMDの次世代APUが搭載されており、このAPUは4コア8スレッドで動作するZen 2 CPU、演算ユニット8基のRDNA 2 GPUで構成されている。

Steam Deckが搭載するAPUの合計演算能力は2テラフロップスであり、これだけ見るとXbox OneやPS4に近いスペックだ。だが、実質的にはもっと高い性能だと言える。本機は720p解像度でゲームを動作させることを目標にしており、解像度1280x800の7インチ画面には十分すぎるくらいだ。Steam Deckは中から高設定で、今世代のPCゲームを動作させることができる。ハンズオン中にベンチマークテストを行うことはできなかったが、私は『DEATH STRANDING』、『Doom Eternal』、『Control』といったタイトルを実際にプレイし、グラフィック品質が落ちることなくフレームレートも安定して動作するのを確認できた。

Steam Deckには3つのモデルが用意されているが、ハード性能面から見ると変わりはなく、基本的には搭載ストレージのみの差となる。64GBの基本モデルは399ドル(約4万4000円)、256GBの中間モデルは529ドル(約5万8000円)、512GBの最高級モデルは649ドル(約7万1000円)の販売価格となる。最高級モデルには、タッチスクリーンに高級アンチグレア保護ガラスパネルが備わっている。3種類のモデルすべてがSSDを使用しているが、256GBと512GBのモデルはさらに高速な読み込みを実現するためにNVMeドライブを採用。またSDカードスロットが備わっており、ゲームデータをインストールして直接プレイすることができる。すべてのモデルには持ち運び用ケースと、ACアダプタが付属する。

Valve's Steam Deck

総括すると、私はSteam Deckにとにかく驚かされた。PCゲームにこれから手を出してみたい人や、Nintendo Switchより高性能な携帯ゲーム機が欲しい人には、基本モデルの399ドルという価格はとても魅力的に映るだろう。すでにゲーミングPCを所持している人でも、より大きなストレージ容量を持つ高級モデルは数種類のAAAタイトルを携帯するのに十分なはずだ。この価格帯でも、安いゲーミングノートPCと比べるとかなりお得に感じるし、ハイエンドなデスクトップPCと比べればなおさらだ。

個人的には、ゲームをデスクトップPCと携帯機の間で続けてプレイできるという、Steam Deckの今までにない可能性を楽しみにしている。本機はオープンなプラットフォームであるため、Steamアカウントにある大量のゲームを持ち運べるだけではなく、Epic Gamesストア、uPlay、itch.ioといった非Steamゲームも外で遊ぶことができるだろう。

Steam Deckは、今年のホリデーシーズンに欧米で発売予定だ。日本の発売に関する情報はないが、公式サイトはすでに日本語に対応している。続報に期待したい。

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