アメリカの国防当局トップは29日、米軍のアフガニスタン撤退に関する下院軍事委員会の公聴会で、武装勢力タリバンがアフガニスタンを掌握したのは、同組織とドナルド・トランプ前政権が交わした米軍撤退合意が影響していると言えると証言した。
フランク・マケンジー中央軍司令官は、米軍撤退に関する合意がアフガニスタンの政府および軍に「非常に悪質な影響」を与えたと証言した。
ロイド・オースティン国防長官もマケンジー氏に同意し、この合意によってタリバンが「勢力を増した」と述べた。
ジョー・バイデン氏は米大統領就任後、この撤退計画を維持しつつ、撤退完了期限については当初の5月から8月31日へと延期した。
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米軍の撤退が進む中、タリバンは8月15日にアフガニスタンを掌握。アメリカなど欧米諸国が自国民の退避を急ぎ、何千人ものアフガニスタン人が救出を求めるなど、混乱状態に陥った。この最中にカブール空港近くで起きた自爆攻撃では182人が死亡した。
米軍は同月末、約20年間にわたったアフガニスタン駐留を終えた。
ドーハ合意が心理的影響与えた
中央軍トップとしてアフガニスタンからの撤退を指揮したマケンジー氏は公聴会で、ドーハ合意によりアフガニスタン政府への「すべての支援がいつ終了するのか予測が可能」となり、同政府に強い心理的影響を与えたと述べた。
マケンジー氏は、アメリカがアフガニスタン駐留米軍の規模を2500人以下に減らせば、アフガニスタンの政府と軍は必然的に崩壊するだろうと「かなり長い間」信じていたと述べた。
そして、バイデン大統領が4月に駐留米軍の規模の縮小を命じたことが、「さらなる命取りになった」とした。
オースティン国防長官は、アメリカがタリバンに対する空爆の中止を約束したことで、同組織が「力を増し、アフガニスタン治安部隊に対する攻撃活動を活発化させ、毎週のように多くのアフガニスタン人が犠牲になった」と述べた。
ミリー将軍はまた、「タリバンは以前も現在もテロ組織であり、アルカイダとの関係もいまだに断っていない」と説明。アフガニスタンでアメリカ人を守るのが、今後は前より難しくなるとの見方を示した。
アメリカは「外交と協力の道」を選ぶべき
タリバンの報道担当ザビフラ・ムジャヒド幹部は29日、同組織は「アフガニスタンの領土からアメリカを含むいかなる国に対しても、脅威を与えないということを世界に保証している」とBBCに述べた。
「我々は、ドーハでアフガニスタン・イスラム首長国とアメリカとの間で締結された合意に取り組んでいる。アメリカとその同盟国にも、同様に取り組んでもらいたい。否定的なコメントをするのではなく、外交と協力の道を選ぶ方が彼らのためになるだろう」
からの記事と詳細 ( 米軍撤退合意がアフガン崩壊を加速=米軍トップが証言 - BBCニュース )
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