第5波では、家庭内の感染がこれまでにないほど増えました。
子どもを育てる親が新型コロナに感染した際、子どもの預け先を探すのに振り回される事態が起きています。
ことし8月上旬、新型コロナに感染が確認された、大阪府内に住む30代の女性は60代の母と、当時、生後3か月の赤ちゃんを含む、4人の子どもと暮らしています。
女性は7月末体調不良を感じ、PCR検査を受けたところ、8月上旬に新型コロナへの感染が確認されました。
その日の夜から39度ほどまで発熱、頭痛や関節痛などの症状も出ました。
当初、保健所からは自宅療養を提案されましたが、女性は子どもに感染を広げたくないと保健所に伝え、感染が確認された2日後、宿泊療養施設に入りました。
療養期間中は、60代の女性の母親が子どもたちの面倒をみることにしていましたが、女性が宿泊療養施設に入った翌日、母親も発熱し、感染が確認されました。
このまま、母親がこどもの世話を続けるのは無理と判断した女性は、発熱や息苦しさが続く中、こどもたちの預け先を探し始めます。
その日のうちに、生後3か月の赤ちゃんは女性の知人に預けることができました。
しかし、ほかの3人の子どもは預け先が確保できず、女性の母親は自宅療養をしながら、子どもたちの世話をみることを余儀なくされました。
こうした中、生後3か月の赤ちゃんが知人に預けてから2日後、発熱し、感染が確認されて、病院に入院することになります。
そして、その翌日、宿泊施設で療養していた女性の血中の酸素の値が落ち込んだことから、女性も入院することになりました。
さらに、赤ちゃんの感染が確認された2日後、赤ちゃんを預かっていた女性の知人も発熱し、感染が確認されます。
この知人も入院することになりました。
一方、女性は自宅で療養しながら3人の子どもの世話をしていた母親の負担を減らそうと、子どもたちの受け入れ先を探していましたが、この日までに、3人の子どもがいずれも陰性と確認されたことから、一時的な宿泊施設で受け入れてもらうことになりました。
子どもたちの預け先が決まったことで、この日、ようやく60代の女性の母親も入院するになりました。
女性と母親、それに3か月の赤ちゃんと、感染した3人がそれぞれ入院し、ほかの3人の子どもも一時的な宿泊施設で預かってもらうことができ、女性も治療に集中できると思っていた矢先の8月中旬、今度は、施設にいた子どもの1人が発熱、感染が確認されました。
ほかの2人の子どもも同じ部屋で過ごしていて濃厚接触者となったことなどから施設では預かれなくなり、3人の子どもたちは帰宅を強いられました。
自宅には、子どもの面倒をみることができる大人はおらず、女性は退院せざるをえなくなりました。
退院したときの女性の血中の酸素の値は、91から92程度だったといいます。
また、赤ちゃんも女性と同じ日に退院しました。
女性は退院した翌日、隔離期間の解除と共に、保健所から外出の許可が出ました。
女性は息苦しさを抱えながら、買い物に行くなど、懸命に子どもの世話にあたったといいます。
8月下旬、女性の母親が退院し、感染が確認された子ども1人の隔離も解除となりました。
女性が取材に応じてくれたのは9月上旬。
発症から1か月以上が経過していましたが、女性は、新型コロナの後遺症とみられる味覚障害や嗅覚障害を抱えているということです。
【専門家は】。
児童福祉に詳しい大阪府立大学の伊藤嘉余子 教授は、「親の感染が確認された場合、まずは自分の回復や治療に安心して専念できる環境が整えられることがいちばん大事だと思う」と話しています。
さらに、伊藤教授は、行政による一時保護などの既存の支援の仕組みをもっと有効に活用するべきだという考えを示したうえで、「一時保護などの社会的な支援は親がさまざまな理由で一時的に子どもをみることができないときに使える制度だ。新型コロナ対策においても、各自治体ではこうした制度を積極的に活用するとともに、住民への告知ももっと進めていってほしいと思う」と話していました。
【大阪府の支援は】。
大阪府では、親が感染するなどして、濃厚接触者となったこどもに対して、まわりにこどもの世話をする人がいない場合、陰性が確認されたことを条件に、宿泊施設などで一時的に保護する体制を整え、去年5月ころから運用を始めています。
府によりますと、27日までに30件の事例で45人の子どもを受け入れたということです。
一方、親が感染し、子どもも感染が確認された場合、親の希望や親子の容体に応じて、同じ医療機関に入院したり、宿泊療養施設で受け入れたりすることが可能だとしています。
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