外国人技能実習生を企業などへあっせんする監理団体で、法令違反によって許可が取り消された30団体のうち、半数以上にあたる18団体は国から「優良団体」との認定を受けていたことが分かった。虚偽の監査報告書の提出や名義貸しなどの不正行為をしていた。国の審査は団体側の自己申告に基づくため、基準があいまいで形骸化しているとして、識者は「実習生を守るためにも審査の厳格化が必要だ」と指摘する。
監理団体は2017年から許可制となり、全国に約3500団体ある。実習状況を監査し、実習生を保護する役割を担う。一定の要件を満たせば優良団体として、実習生の在留期間の延長や人数枠拡大といった優遇を得られる。厚生労働省などによると、1755団体が認定されている。
だが、読売新聞の調べでは、国から優良団体と「お墨付き」を得ていた東京、千葉、福岡など16都県の計18団体で、いずれも技能実習適正実施・実習生保護法に反する行為が確認された。
愛知県一宮市の「アジア共栄事業協同組合」では所得隠しが判明し、実習先に対する不適切監査などで21年11月に許可を取り消された。塗装技術を学ぶはずだったベトナム人男性(32)が実際にあっせんされた実習先では、アスベスト(石綿)の除去作業を指示され、体調を崩して退職した。男性には渡航費用の借金50万円だけが残り、「日本に来なければよかった。実習生を大事にしてほしい」と嘆く。同組合は優良団体であることをホームページなどで宣伝していた。
優良団体と認定されるため、監理団体は申告書や事業計画書を作成し、「外国人技能実習機構」(東京都)と厚労省、法務省の審査を受ける。3か月程度で承認されるが、不正行為が相次ぐ背景に、審査の甘さも指摘される。
申告書では、実習生の支援体制など5分野21項目について監理団体が自己採点し、150点満点のうち90点以上あると示す必要がある。一部は資料を求められるが、監査マニュアルの作成や失踪した実習生の有無などに関しては、自己申告で厳格な基準がない。同機構の担当者は「実地調査で内容を確認することはない」としている。
こうした状況に、技能実習制度に詳しい神戸大の斉藤善久准教授(労働法)は「審査方法がずさんで、監理団体が法令違反を
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