農林水産省は3日、農林水産物や食品の地域ブランドを知的財産として保護する「地理的表示(GI)保護制度」に福島県郡山市の「阿久津曲がりねぎ」を登録した。福島県産農産物の登録は南郷トマトに続いて2品目。
阿久津曲がりねぎは「甘い」「やわらかい」「風味が良い」の三拍子がそろった伝統野菜。市内阿久津町の農家14戸が計2・5ヘクタールで栽培している。明治時代に富山の薬売りが伝えたとされ、夏に斜めに植え替える「やとい」と呼ばれる作業を行うことで曲がった形に育つ。阿久津町の畑の土は粘土が強く、作土が少なかったため、ネギの軟白部分を確保する技術として、やといが行われた。
市販品のネギに比べ、うま味系アミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸)が約1・8倍、糖度は約1・7倍多い。種子保存や品質の統一に取り組む保存会が2019(令和元)年6月に農林水産省に登録を申請していた。
保存会の橋本昌幸会長(70)は「登録を機に販路、生産量を拡大したい。伝統の野菜を守っていく」と話す。品川萬里市長は「明治から続く伝統を守り、農作業に励む保存会の努力に敬意を表する」としている。
GI登録で生産団体は申請した品種や栽培法などに基づき農産物を生産し、出荷・販売の際に登録を証明するGIマークを使うことができる。国が品質の高さを証明することで取り扱う小売業者などが増え、ブランド価値の向上、価格上昇が見込まれる。
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阿久津曲がりねぎの出荷時期は11月~2月までで、今期は2月中旬で終える。市内のヨークベニマル、農産物直売所「あぐりあ」、ザ・ビッグ郡山店などで販売している。
■GIとは
地理的表示(GI)保護制度 2015(平成27)に施行された「特定農林水産物などの名称保護法」に基づく制度。地域の風土や伝統が育んだ特色ある農林水産物・食品の名称を国が登録する。生産団体が定めた生産地や生産方法などの基準を満たす産品にのみ登録名称を表示でき、ブランド名の不正使用に対しては国が取り締まる。「阿久津曲がりねぎ」を含め113品目が登録されている。
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