カシオ計算機は、耐衝撃腕時計ブランド「G-SHOCK」のラインアップを拡充し、金属と樹脂を融合させた「MT-G」(Metal Twisted G-SHOCK)シリーズの新製品として、薄さを特徴とする「MTG-B3000」を2022年5月14日に発売する(図1)。電波ソーラー腕時計ブランド「OCEANUS」のモジュールをベースにしながら構造を工夫して、ケースの厚さを12.1mmに抑えている。
* カシオ計算機のニュースリリース: https://www.casio.co.jp/release/2022/0315_mtg-b3000/薄型化に寄与したのは、「開発陣が、ゼロベースからコンマ数mmずつ詰めに詰めて」(同社)実現したOCEANUS用の厚さ3.5mmのモジュールだ(図2)。ただし新製品では、このモジュールをそのまま採用したわけではない。薄型モジュールを新製品の試作ケースに実装して落下テストを実施したところ、「電池を受ける最も薄い部分が破損してしまった」(同社)。そこで、電池とLSIの位置を変更した他、OCEANUSにはないアラームやライトを搭載するために、モジュール径を直径35mmに拡大した。こうした部品配置の工夫によって発生した隙間を埋めるように緩衝ゴムを取り付けて、耐衝撃性を向上させた。
新構造のヒントは鳥の巣
しかし、これではケースが大きく・厚くなってしまい、せっかくのモジュールの薄さを生かせない。そのため同社は、ケースでモジュールを保護し、外側を金属製部品で覆うことにより軽量化する「デュアルコアガード構造」を進化させた。具体的には、裏蓋の材料を炭素繊維強化樹脂から金属に変更した上で、バンパーや脚の部分を一体化し、それがケースの側面までを覆ってモジュールを保護する構造とした(図3)。金属製のベゼルと裏蓋でモジュールを挟み込むように組み立てる。
この裏蓋の形状は「鳥の巣にヒントを得てデザインした」(同社)。プレス後に切削と研磨を繰り返して仕上げていくもので、「購入した人が見られないなんて、もったいない」(同社)ほど手が込んでいるという。脚などの一体化によって部品点数が減り、小型化も果たした。
このように、OCEANUSの薄型化技術とG-SHOCKの耐衝撃構造の融合により、新製品では既存機種「MTG-B1000」から2mm以上、薄型化した。裏蓋は金属製に変更したが、厚みが減った分だけ重さは減少。金属・樹脂製バンドを取り付けたモデルの質量は、フルチタンモデル「MRG-B2000」の約150gとほぼ同じ約148gとしている。
もう1つのポイントは、「ワンプッシュ式」の交換バンドだ。ケースの脚の横にある、通常はバンドを留めているビスの部分がボタンになっており、両側からボタンを押すとバンドが外れる。簡単に外れるようにしながら耐衝撃性も確保しており、衝撃を受けてたわんだり片側のボタンだけを押されたりしても外れない。
ラインアップは、バンドの異なる3モデル。金属と樹脂を組み合わせた「レイヤーコンポジット」製バンドで一部をイオンプレーティングで赤色に着色した「MTG-B3000BD-1A」と、一部を緑色に着色した「同1A2」、ウレタン樹脂製バンドの「MTG-B3000B-1A」を用意した。価格は、MTG-B3000BD-1Aと同1A2が13万7500円(税込み)、MTG-B3000B-1Aが12万1000円(同)。
からの記事と詳細 ( 新「G-SHOCK」は厚さ12.1mm、部品配置と保護構造の工夫で2mm薄く - ITpro )
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