福島市仲間町に2月22日、猫との交流施設「ひだまりねこ」がオープンした。ここで暮らすのは、昨年10月末に閉店した市内の猫カフェで飼われていた16匹。元々は保健所に持ち込まれるなどした保護猫だ。
居場所がなくなった猫に救いの手を差し伸べたのはカフェの常連客。一般社団法人「猫の陽だまり」を設立し、物件を探しながらクラウドファンディングで資金を募った。新聞やネットを通じて支援の輪が広がり、目標金額の2倍以上となる約184万円を集め、内装工事や病気だった猫の治療費などに充てた。
当初は新しい環境に慣れずに体調を崩す猫もいたが、オープンから2か月が過ぎた今は穏やかな毎日を送る。高橋美幸店長(38)は「何年も近くで見てきたこの子たちは家族同然の存在。多くが10歳以上の大きい猫だが、新しい飼い主が見つかるまで活動を続けたい」と話した。
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猫を保護する活動の一方、県内では毎年、多くの猫が殺処分されている。環境省の調査によると、2020年度に殺処分された猫は都道府県別で最多の1767匹。全国1万9705匹の約9%に上る。保護された猫の殺処分率も78%と全国で4番目に高い。
県食品生活衛生課によると、県内では活動している団体が少なく、他県に比べて譲渡も活発ではないという。保健所の担当者は「活動に積極的な団体が減ると譲渡数が下がり、殺処分数と殺処分率が更に増える恐れがある」と指摘する。
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こうした状況に、長引くコロナ禍が暗い影を落とす。郡山市で保護猫カフェを経営するNPO法人「love.lab」は、市保健所から猫を無償で預り、世話をしながら猫カフェや譲渡会などを通じ、14年からこれまでに約1200匹を新たな飼い主と引き合わせてきた。
エサ代や治療費、空調管理費などのほぼ全てを猫カフェの収益で賄っていたが、ここ2年で売り上げは半減した。ネット予約システムを導入し、入場者を1組に限定するなどの感染症対策を取っているが、客足は戻らない。
新たに始めたクラウドファンディングによる支援で何とか急場をしのいでいるが、根本的な解決にはなっていない。渡辺愛子代表(46)は「寄付に頼らざるを得ない経営状況が続いている。このままだと活動を続けていけるかわからない」と危機感を募らせる。
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■県内の猫の引き取り数と殺処分、譲渡、返還数
引き取り数 殺処分 譲渡 返還
2020年度 2249 1767 450 12
2019年度 2585 2029 500 11
2018年度 2869 2342 529 4
2017年度 2801 2368 411 6
2016年度 2990 2383 558 3
※環境省の資料などを基に作成。年度をまたいで殺処分、譲渡、返還された場合、引き取り数と合わないことがある
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