【6月13日 People’s Daily】「野生のパンダはこの40年で1114頭から1864頭に増えた」「パンダはレッドリストのカテゴリにおいて、『絶滅危惧』から一段階低い『危急』に引き下げられた」。近ごろ発布された「中国の生物多様性保護」白書では、中国におけるパンダ保護の成果報告が記録されている。野生動物の生息空間を絶えず増やしたことが反映され、野生個体は増加していった。パンダの絶滅危機における「ランクダウン」は、中国の生態環境保護の「アップグレード」の証拠となった。
近年、中国で設置されたパンダの保護地区は67か所を数え、建設中のパンダ国立公園は2.7万平方キロメートルの土地をカバーする。野生パンダの88%と生息地の70%が自然保護ネットワークの中に収まることになった。このような思い切った投入が行われたのは、パンダが大人気の「自然保護のシンボル」で中国の国宝であるからだけでなく、さらにパンダが食物連鎖の頂点に君臨する「アンブレラ種」であり、彼らを保護することで生態システム全体が保護され、周辺地域の持続的な発展に繋がるからである。
自然保護を進める上で、パンダは極めて重要な作用を持つ。パンダの生息地はほぼいずれも、中国で最も重要な固有種の分布と重なっている。中国には鳥類・哺乳類・両生類などに多くの固有種が存在し、これらはみなパンダの生息地の中に住んでいる。これが意味することは、パンダなどの「アンブレラ種」の保護に力を入れることで、同時に同じ地域に住む動植物も保護できるということだ。
パンダの保護事業は他の野生動植物の保護も促す。パンダの住むエリアはキンシコウやターキンなど様々な希少動物が住んでいる。目下、パンダの生息地には、人を怖がらない渡り鳥のヒガラやルリビタ、声の美しいアオミミキジ、渓谷に住むサンショウウオなど、至るところで動物の姿を目にすることができる。パンダ保護地区に指定されることで密漁が減り、野生動物の数が回復して、生態系は絶えず修復されつつある。
パンダ保護事業は経済社会の発展をももたらし、パンダ保護と生活水準の向上はウィンウィンの関係にある。パンダの生息地は秦嶺山脈に始まり、甘粛省(Gansu)を通って四川省(Sichuan)の山々へと跨がる、長いベルト条のエリアである。パンダの保護ネットワークが構築される中で、同地の生活スタイルも変化した。少なからぬ住民がクリーンエネルギーを使うようになり、薪に使うための森林伐採が減った。薬草の栽培や養蜂などを産業化し、富を掴んだ地域もある。
絶滅危機ランクが下がったからと言って、保護に力を入れなくてよくなったわけではない。パンダ保護を進めていくことによる、より一層の自然との共生共栄が期待される。(c)People’s Daily/AFPBB News
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