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Thursday, July 28, 2022

ブルーライトから有機EL素子を保護することで、有機ELディスプレイの劣化を抑制 トーヨーカラー - fabcross for エンジニア

トーヨーカラーは2022年7月28日、ブルーライトから有機EL素子を保護することで、有機ELディスプレイの劣化を抑制できることを実証したと発表した。同社が開発したブルーライトカット剤を使用して380~420nmの波長をカットすることで、有機ELディスプレイを長寿命化できる。

特に青色素子の耐久性が低い有機ELディスプレイは、時間の経過とともに画質が劣化するため、製品寿命が液晶ディスプレイと比べて短いといわれている。有機EL素子の劣化要因には、素子が繰り返し発光することや紫外線が挙げられている。劣化要因には、ブルーライトの影響も推定されていたが、実用に耐えうる適切なブルーライトカット剤がなかったこともあり、証明はされていなかった。

同社は、山形大学有機エレクトロニクスイノベーションセンターの協力のもと、ブルーライトが有機EL素子に与える影響を実証。現行の有機ELディスプレイに用いられる円偏光板に代わり、有機EL素子を紫外線吸収剤と同社のブルーライトカット剤で保護することで、電圧上昇を現行構成と比べ約60%抑制できた。

この結果から、有機ELディスプレイの寿命を延ばすことが期待できるほか、より過酷な使用環境での耐久性が求められる車載用途や屋外のサイネージなどへの展開もできる。円偏光板レスでも劣化を十分に抑制できるため、フォルダブル/ローラブル端末の用途拡大が期待される。

同社が開発した高耐性ブルーライトカット剤は、独自の構造により、優れたブルーライトカット性能を有する新素材で、ブルーライトカット機能を少量添加で付与できる。また、要望に応じて、一定範囲でブルーライトのカット域を任意に制御できる。

耐光性と耐熱性が高く、長期的に劣化しないため、耐久財用途に向いている。さらに、350℃もの高温に耐える製品もラインアップ。これまで使用できなかった加工プロセスや過酷な使用条件でも使用できる。

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