ウクライナでの「特別軍事作戦」を受けて、日本や欧米から「侵略国家」と非難されるロシア。ところが多くのロシア人は「他国を攻撃したことはない」と信じ、国際社会との認識のずれは広がるばかりだ。他国への軍事干渉を容認するロシア社会の謎を、政治言説「ロシア世界」から探った。 (モスクワ・小柳悠志、写真も)
「ロシアは他国を攻撃したことは一度もない。今回も兄弟国家のウクライナを米国の悪影響から守っているだけ」。プーチン大統領がウクライナ四州の「併合」を宣言した九月三十日夜、赤の広場で元軍特殊部隊ニコライさん(40)は「領土拡大」を喜んだ。
ロシアがソ連時代を含め、極東やバルト三国、東欧、中央アジアで行ってきた併合や侵攻は、ロシアでは「自国領の防衛」「ファシズムからの解放」とみなされる。ペスコフ大統領報道官も二月、「ロシアは多くの防衛戦を経験したため『戦争』と発音することすら嫌う。他国を攻撃したことも歴史上、一度もない」と胸を張った。
帝政ロシアは十八世紀以降、領土を急速に拡大させてきた。米政府系ラジオによると、ロシアの思想家ドゥーギン氏(60)ら民族主義者は一九九一年のソ連崩壊後、「ユーラシアの...
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