「黒いダイヤ」とも呼ばれ、高級食材として中国などで高値がつく「ナマコ」。漁獲量がなかなか回復しない中、札幌市の国立研究開発法人土木研究所「寒地土木研究所」などの研究チームが、海でナマコを捕食する生き物を新たに特定した。ホタテの殻を使い、稚ナマコを保護する「ナマコのゆりかご」も開発。漁協側は「資源回復につながればいい」と歓迎している。(橋爪新拓)
同研究所と岡山県の人工漁礁開発会社「海洋建設」の研究チームは2016~21年の6年間、道南の福島町の漁港で稚ナマコを放流し、成長の度合いを調査した。放流後、カニ・ヤドカリ類の数センチの「オオヨツハモガニ」と「ケブカヒメヨコバサミ」が出現し、それぞれ胃の内容物を調べたところ、ナマコの骨片が高頻度で見つかった。オオヨツハモガニは19年に東大の研究チームが発見し、新種に登録された。東北や北海道に生息しているとされる。
ナマコは毒素による化学防御を行うため食害生物は少ないとされていた。だが、2生物は捕食スピードも段違いに速く、以前から捕食者の一つとされていた「イトマキヒトデ」の1日あたり1・8匹を大きく上回り、オオヨツハモガニは同7・7匹に上る。同研究所の稲葉信晴研究員は「これまで放流されたナマコは多くをこれらに捕食されていたのではないか」と指摘する。
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