(本文の一部語句を補いました)
[ワシントン 16日 ロイター] - イエレン米財務長官は16日、上院財政委員会の公聴会で、米国の銀行システムは健全性を保ち、国民は銀行預金について安心できていると述べた。その上で、経営破綻した米銀2行対して当局が取った緊急措置は、全ての預金を政府が全面的に保証することを意味するわけではないと強調した。
イエレン氏は、シリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー・バンクの破綻を受けて12日に財務省が他の金融規制当局とともに両行の預金を全額保護する措置を発表して以降、初めて公の場で発言した。
保険対象外の預金全てが保証されるのかという議員からの質問に対し、銀行がそのような措置を受けるのは、米連邦準備理事会(FRB)、米連邦預金保険公社(FDIC)、そして「私が大統領と協議の上、保険対象外の預金を保護しなければシステミックリスクが生じ、経済・金融に重大な影響を及ぼすと(圧倒的多数が)判断した場合のみだ」と答えた。
SVBとシグネチャーの破綻を受けた当局の緊急措置については「銀行預金が安全であると保証する断固としたコミットメントを示すものだった」とし、「米国の銀行システムは健全で、国民は必要なときに預金が銀行にあると確信できている」と述べた。
SVBの破綻については、顧客の預金引き出しに対する資金を調達するにあたり、FRBが昨年から実施している利上げで債券投資の価値が低下したことで、預金者の資金需要に応えられなかったことが本質的な要因だったと指摘。同行の無保険預金が高水準であったことも状況悪化につながったとの見方を示した。
その上で「今回の件には流動性リスクがあった」とし、「シリコンバレー銀で何が起きたのか、問題はどうして発生したのか、慎重な検証が行われる」と述べた。
スイスの金融大手クレディ・スイスに関する言及はなかった。
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