県内最大のスダチ産地、神山町で自然に栽培された「露地物」の出荷が最盛期を迎えている。伝統的な農産物や食品を国が認証する「地理的表示(GI)保護制度」に3月、県産スダチが登録されてから露地物の出荷は初めてで、関係者は「海外への販売促進にもつなげていきたい」と意気込んでいる。(荒川紘太)
同町内のJA名西郡の神山センターでは先月27日、生産農家が傷や色合いによって、秀、優、良の等級に仕分けしたスダチを、選果機でサイズ別に分類する作業が行われた。傷が少なく、緑が濃いほど良質とされ、基準に合わないものは加工用に回される。作業は今月29日まで続く。
同センター指導販売課の後藤正平課長(45)によると、今年の露地物は平年並みの約160~180トンを出荷する見通し。気象条件などの影響で不作だった昨年の2倍以上になるという。
露地物のスダチは京阪神や関東地方を中心に9割以上が県外へ出荷され、一部の農家は10月以降も供給できるよう冷蔵貯蔵している。後藤課長は「今年はお盆からの雨で玉も大きくなった。さわやかな香りが強く、果汁もしっかり出る品質になっている」と話す。
県産スダチは3月、「徳島すだち」としてGI保護制度に登録された。伝統的な特産品の名称を地域の知的財産として保護する制度で、登録されれば、ロゴマークを使える。県産スダチは古くから栽培されていることや、全国出荷量のほとんどを占めていることから条件を満たした。同様の制度があるEUなどの国や地域でも保護され、輸出促進が期待できるという。
JAグループなど県内のスダチ生産関係者らで構成する「県すだち・ゆこう消費推進協議会」は登録を受けて、全国の市場に出荷する際に使う化粧箱のデザインを一新。「日本地理的表示GI」などと描かれたマークを載せ、「徳島すだち」の文字が目立つようにした。従来の箱が残っているため、本格的に新しい箱を使うのは、来年4月頃からになるという。
同協議会の事務局を務める、JA全農とくしま園芸部の清田祐爾次長(45)は「これを機に改めて徳島のスダチを知ってもらい、生産振興も図っていきたい」と話している。
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