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Wednesday, November 22, 2023

児童虐待から子どもを守れ 児相と警察が協力する保護訓練 千葉 - nhk.or.jp

児童虐待が各地であとを絶ちません。

千葉県では昨年度の1年間に、虐待のおそれがあるとして県の児童相談所が対応した案件は9000件近く。全国で4番目の多さとなっています。家庭が調査に応じないケースがあり、県は、子どもの安全を守るためには、児童相談所が警察と連携して対応することも必要だとしています。

11月、虐待の疑いがあるものの調査に応じない家庭に対し、児童相談所が警察と連携して強制的に立ち入り調査を行うことを想定した訓練が、千葉県君津市で行われました。

(千葉放送局記者・坂本譲)

家庭訪問で“強面”の親族が…

11月中旬、君津市のモデルハウスで行われた訓練には、県内の児童相談所の職員や警察官あわせておよそ50人が参加しました。

訓練は、5歳の女の子への虐待が疑われる母親が、児童相談所への調査に応じないという想定です。ただし、想定の一部は参加者には伝えられていません。想定外の事態にも対処できる技術を身につけることが狙いです。

女の子は「あざが見つかった」と通報が入ったあとに保育所を1週間にわたって欠席していて、安否が確認出来ていません。

親族の男性が調査を拒むなか、児相相談所と警察が連携して、女の子をどのように一時保護するかを検証します。

母親や親族の男性の役はふだん児童虐待対策などにかかわる警察官が務め、より実際の事例に似せた訓練となるよう工夫されました。

児童相談所の職員と警察官が住宅を訪ね、インターホンを押すと…。

出てきたのは“強面”の男性(親族役の警察官)
親族役の警察官

お前らなんなんだ!

玄関から出てきた親族役の男性が大きな声で威圧します。

児相の職員

児童相談所の者です。お子さんの安全確認で来ました。こちらの家の方ですか?

親族役の警察官

何もねえから大丈夫だよ!強制なのか?帰れよ!

職員は警察官と協力して、調査を拒む男性を説得しようと試みます。すると、母親が表に出てきました。酒に酔っているという想定です。

児相職員

お母さんですか?

母親役の警察官

誰なんだよ!なんで子どもを見に来たんだよ!

児相職員

児童相談所の職員です。お子さんの安全を確認しに来ました。応じていただけないのであれば、裁判所の許可を得ていますので、強制的に中に入らせてもらいます。

強制的に立ち入りを行う手順の確認

拒む母親に対し、職員は強制的に立ち入ることができる裁判所の許可状を示し、住宅の中に入りました。

裁判所の許可状

職員たちは押し入れの中にいた女の子を発見して保護し、けががないかなどを確認していました。

保護した子どもを外に連れ出す職員

そして、子どもの保護に納得がいかない2人に対し、児童相談所と警察が強制的に立ち入った理由などを説明していました。

参加した児相職員

現場でイレギュラーな事態が起きた時にどのように対応するべきかについて学ぶことができました。また、今回のような難しい対応の時に、警察官が後ろにいてくれる安心感を強く感じました。

児相対応は年9000件近く

今回のケースのように、子どもを虐待している疑いのある保護者が児童相談所の調査などに応じない場合、裁判官の許可を得て、児童相談所の職員が警察官の立ち会いのもと強制的に家に入ることを「臨検・捜索」といいます。

令和元年以降、千葉県では「臨検・捜索」を行った事例はないということです。

千葉県資料より

ただ、昨年度の1年間に、虐待のおそれがあるとして県の児童相談所が対応した案件は9000件近くに上り、東京、大阪、埼玉についで、全国で4番目に多くなっています。

暴言や無視といった心理的虐待の件数が多いことがあげられます。このほか身体的虐待や、ネグレクトといった保護の怠慢などの件数も、全国平均より多くなっています。

千葉県資料より
千葉県資料より

なかには家庭が調査に応じなかったり、保護者が児童や職員に暴行するケースもあるとしています。

千葉県は、こうした想定外の事態が起きた場合にも、児童相談所の職員がいざという時に対応できるよう、訓練を通じて警察と連携して対応を強化していきたいとしています。

千葉県 児童家庭課
高木優子 副参事

今回のようなケースが起きた場合に児童の命を守り切るうえで速やかで円滑な対応が必要になるので、研修を定期的に行う意味がある。

合わせて児童虐待を予防する取り組みを行うことで、すべての子供たちを児童虐待から守ることを目指してやっていきたい。

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