SnackTimeは1月17日、クリエイターのイラストを無断のAI学習から保護するサービス「emamori」を正式リリースしたと発表した。
emamoriは、イラストをアップロードするだけで、AI学習対策が施されたイラストデータに加工できるサービス。同社では、ベータテスト版を300名限定の招待制で数カ月運用しており、イラスト2000枚超を保護したという。
生成AIの普及によって、仕事や生活のさまざまな場面で利便性が増す一方、著作権者の意向を顧みない無断のAI学習が問題になっている。同社によると、日本の著作権法では、「著作権者の利益を不当に害する」場合は除くという例外の記載はあるものの、具体的にどのようなケースにおいて該当するか、活発に議論がなされている最中だという。このことから、許諾を得ずに著作物をAI学習に利用することが可能とみなされており、日本は世界からみても「学習天国」といわれることもあるという。
実際に、特定のクリエイターのイラストがピンポイントでAI学習され、模倣されるという被害報告も増加。既存のイラスト投稿サイトやXでイラストを非公開・削除する動きが一時期広がっている。また、Xのプロフィールに「AI学習禁止」の文言を記載し、自衛を図るクリエイターも多くみられるようになった。こうした背景から、同社では上海交通大学の研究チームが開発した保護技術「Mist」を簡単に使用できるウェブサービスとして、emamoriを開発した。
同サービスでは、Mistにより、イラストに特殊な電子透かし・ノイズ（人間の目で見ても目立たないもの）を挿入することで、正確なAI学習を妨げ、模倣AIイラストの生成を阻止できるという。
なお、ベータテストの終了および、正式リリースに伴い、招待制を撤廃。趣味、仕事などの目的問わず誰でも同サービスが利用できるようになった。加えて、無料で利用できる無料プラン（無料会員）のほか、Mist上位モデルの利用やサイト内の追加機能を利用できる有料プランも用意。無料プラン（無料会員）は、1日4枚（同時アップロード数2枚、タグ種類6種）の利用が可能。Mistのバージョンは「v1」となる。
新たに追加された「Standard」（月額980円）では、1日8枚（同時アップロード数4枚、タグ種類12種）。「Pro」（月額1980円）では、1日12枚（同時アップロード数6枚、タグ種類12種）で、タイムライン非公開化に対応。「Premium」（月額2,980円）では、1日20枚（同時アップロード数10枚、タグ種類12種）で、タイムライン非公開化と優先サーバー使用に対応する。
有料プランでは、Mistのバージョンが「v1」に比べて保護によるノイズが減る「v2」を採用。同社によると、「v2」は現在最も普及しているファイン・チューニング手法「LoRA」に対する保護機能を持つことが体系的に検証された、最初の電子透かしツールになると説明している。
同社では、正式リリースを記念して、全有料プランについて、本日から1カ月間に限り、1週間の無料体験を提供するという。
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