能登半島地震で被災した飼い猫を保護しようと、猫の保護活動に取り組む一般社団法人「ネコリパブリック」(岐阜市)は7日、飼い猫を一時的に預かる拠点を石川県珠洲市野々江町に開設した。小型バスと住民から借りた倉庫で1週間程度預かる。飼い主の生活再建まで県内外で最長1年の預かりも可能で、ペットの「1・5次避難所」の役割を果たすという。 (井上京佳)
保護猫の譲渡会などに使われているバスと倉庫にケージを置き、最大18匹を預かる。スタッフ2人が常駐し、えさや暖房が確保された安全な環境を提供する。
拠点で預かる期間は2日~1週間がめど。飼い主の生活状況によって岐阜県飛騨市にある法人の保護猫シェルターや、全国の愛護団体などが1年間無償で預かることも可能。拠点の運営や長期預かりに必要な不妊手術、ワクチン接種にかかる費用は、法人に寄せられた寄付金でまかなう。
法人は1月10日以降、珠洲市内で飼い主の依頼を受けて家から逃げ出した猫を捜したり、保護猫シェルターで約20匹を保護したりしてきた。シェルターと珠洲市を往復する負担が大きいため一時的に預かる拠点を作った。河瀬麻花代表理事(49)は「ペットも大事な家族。機動力を持って支援できたら」と話した。
地元の保護ボランティアも安堵
石川県奥能登地域で猫の保護ボランティアをしている、珠洲市の竹内かおりさん(51)は預かり先に連れて行くまでに一時的に過ごす場所がなく困っていた。被災地域にシェルターができて安心している。
以前から、野良猫を保護して、譲渡したり飼育したりしてきた。地震後も、自身が飼っていた23匹を捜索するかたわら、飼い猫のほか、飼い主が分からない猫、野良猫などを保護してきた。これまで19匹を県獣医師会や知り合いの保護団体に預けている。
悩ましいのが保護した猫を連れて一晩明かす場所だ。竹内さんが避難する珠洲市の避難所に猫は入れない。これまで、猫を運ぶキャリーバッグに入れ、カイロを敷いた毛布でくるみ、車に残してきた。就寝前と起床後に車の暖房を入れるなど、凍えさせないよう配慮するが、「トイレもそのままだし、ごめんねという気持ち」と打ち明けた。
シェルターがあれば、保護した猫のストレス軽減になる上、保護活動の効率が上がる。住民らが避難して、エサをもらえず生きている猫たちが、能登中にいると感じる。繁殖の春も間近で「時間がない」と焦りもある。
猫と共に避難できなかった人にこそシェルターが必要だと感じている。竹内さんは「災害発生後、すぐに開設できるよう国や行政がルールづくりをしてほしい」と望んでいる。
(加藤祥子)
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