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Thursday, April 9, 2020

霧ケ峰の草原、昆虫の種類が増加 シカ食害防ぐ電気柵内で - 中日新聞

電気柵の設置によって保護され、黄色の花を咲かせるニッコウキスゲ=諏訪市で(県環境保全研究所提供)

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 諏訪地域に広がる霧ケ峰高原の草原地帯で一定の範囲を電気柵で取り囲むことでシカの食害を防ぎ、柵の内側で昆虫の種類を増やすことにつなげたとの研究結果を、県環境保全研究所などが発表した。こうした研究はこれまでになく、担当者は「草原地帯の生態系を保護する上で柵の設置が有効と証明された」としている。

 研究は、研究所や兵庫県立大(神戸市)などが二〇一七〜一八年に共同で実施。約二十七ヘクタールを高さ一・五メートルの電気柵で取り囲み、内外を十二地点ずつに分けて、二年間で六、八月の計四回、昆虫の種類や個体数を調査した。

 その結果、シカを侵入できなくした内側では、外側に比べて蝶類が四種、蜂類も一種それぞれ増えたことが確認された。電気柵を設けて草原地帯の植物を保護したことが、昆虫の種類を増やしたとみられる。

 霧ケ峰高原に生息するシカは二〇〇〇年以降増加が続き、観光の目玉となるニッコウキスゲなど高山植物が食害の被害に遭った。一面に群生していたニッコウキスゲのほとんどが食害に遭った地点もあり、電気柵を設置して保護することを決めた。

 研究所によると、近年は霧ケ峰高原など各地でシカによる植物の食害が深刻化している。植物が減少すれば、花の蜜を餌にするハチやチョウなども減少し、結果として受粉の担い手が失われ、植物の減少につながる悪循環に陥りかねない。

 研究所自然環境部の須賀丈部長(55)は、「草原地帯に柵を設置する活動を続けていけば、生態系の持続的な保護につながるのではないか」と期待した。

 (今坂直暉)

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