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Thursday, April 30, 2020

アフガン、和平プロセス泥沼化 米タリバン合意2カ月、進展せず - 時事通信ニュース

2020年05月01日07時17分

アフガニスタンの反政府勢力タリバンが解放した政府側捕虜=17日、タリバンがツイッターで公開

アフガニスタンの反政府勢力タリバンが解放した政府側捕虜=17日、タリバンがツイッターで公開

 【ニューデリー時事】アフガニスタンの反政府勢力タリバンと米国が2月末に和平合意に調印してから2カ月が経過したが、それに続くタリバンとアフガン政府の和平プロセスが進展していない。政府側が、米・タリバン合意の定める捕虜釈放を渋っているのが原因だ。タリバンも政府の停戦の呼び掛けを拒否し、事態は泥沼化している。
 タリバンは29日の声明で、合意に基づく迅速な捕虜釈放が進んでいないとして「責任は米国にある」と批判した。これに先立つ26日、米国のハリルザド・アフガン和平担当特別代表はツイッターで「(政府とタリバン)双方は捕虜解放を加速させなければならない」と指摘した。
 米国とタリバンは合意で、アフガン政府とタリバンの和平交渉が始まるはずだった3月10日までに、政府が5000人、タリバンが1000人の捕虜をそれぞれ解放することを決めた。しかし、今月29日までに政府が550人、タリバンが60人を解放するにとどまっている。
 和平プロセスが進めば、アフガン政府の後ろ盾である駐留米軍は完全撤退することになっていたが、タリバンを脅威に感じている政府は、交渉遅滞を狙っているとみられている。このため政府は、本来は5000人であるタリバン捕虜の釈放上限を1500人と少なく主張し、残りの捕虜に関してはタリバンとの交渉次第だと表明している。
 一方、米軍撤退を進めたいタリバンは、米国との合意履行を誇示するため捕虜解放を急ぎたいが、政府側の釈放が進まないため、小出しにせざるを得ないのが現実だ。
 アフガンは24日、国民の大多数を占めるイスラム教徒が重視するラマダン(断食月)に入った。ガニ大統領は23日、「(同じ)アフガン人の殺害をやめるように」とラマダンに合わせ停戦を呼び掛けたが、タリバンは同日の声明で「米国との合意が完全に履行されない中、停戦は理にかなっていない」と拒絶した。
 政府とタリバンは2018年、ラマダン明け大祭に合わせ、3日間停戦した実績がある。しかし和平プロセスが停滞を続ける今年は、戦闘停止の見通しが立っていない。

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