青森県八戸市は3月30日、ウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されている蕪島周辺での餌やりについて、厳重に保護する繁殖エリアを定め、餌やりの禁止を呼び掛けた。蕪島地区では蕪嶋神社が再建されるなど、環境整備が整ったことにより、訪れる市民や観光客が増える見込み。市は繁殖保護の目的で、協力を求めている。
近年、蕪島周辺では、餌やりの影響でウミネコが人に慣れて車をよけず、ひかれて死ぬという事案が発生し、問題となっている。巣の近くで餌やりをすることで、親鳥が巣を離れ、縄張りから出たひなが別の親に攻撃を受けるという事例もある。
市は、営巣、繁殖が行われている蕪嶋神社境内や蕪島休憩所、広場周辺などを餌やりの「禁止エリア」、蕪島海浜公園、遊歩道などを「自粛エリア」と定めた。同地区では、17日に物産販売施設「かぶーにゃ」がオープンする予定。
現在、ウミネコを含む野鳥への餌やりについて、規制する法令はない。市はホームページや広報を通じて周知を図るほか、広場入り口などに看板の設置を検討しているという。
蕪島では毎年2月頃にウミネコが飛来。昨年は約3万5千羽のウミネコが飛来した。5月から6月頃にひなの誕生がピークを迎え、8月頃、繁殖活動を終えて旅立つ。
市の担当者は「繁殖保護のため、協力をお願いしたい」としている。
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