米連邦最高裁判所は米国時間4月5日、GoogleによるJava APIの使用は合法であるとの判断を下した。これを受けて、米国のIT業界は安堵のため息をもらしたことだろう。
最高裁判所の判決
最高裁は具体的に何と述べたのだろうか。判決の対象となったのは、ごく限られたものだ。具体的には、APIを定義するコードが争点となったのだが、このコードがJavaのソースコードに占める割合はわずか0.4%にすぎない。最高裁はインターフェース宣言と実装コードを明確に区別したため、今回の判決は、既存のソフトウェアコードの大部分には影響しない。さらに、最高裁は、インターフェースのコードが著作権で保護されるかどうかについて判決を下すことは控え、フェアユース(公正利用)の原則が適用されると判断するにとどめた。
最高裁は、フェアユースの適用に関して慎重に言及し、「Android」はOracleの「Java SE」と競合する代替品ではないこと、そして、Androidのおかげで言語としてのJavaの全体的な人気が高まったことにより、Oracleが恩恵を受けた可能性さえあることを指摘した。しかし、われわれが特に興味深いと思ったのは、最高裁がソフトウェアと、著作権で保護された他のメディアを区別したことだ。書籍や映画と違って、コンピューターコードには、著作権で保護された他のすべてのメディアとは異なる、公共の利益を生み出す機能的な目的がある、としている。これによって、裁判所はコンピューターコードに関して、他のメディアよりも寛大に思えるフェアユースの先例を作ることができた(ただし、それらの違いの複雑さについて詳しく知りたい人は、法律の専門家に相談した方がいいだろう)。
さらに、著作権は、「アイデアの表現」を保護するものであり、アイデアそのものを保護するものではない、と最高裁は指摘している。これとは対照的に、特許はアイデアそのものを保護するものだが、Oracleによる特許侵害訴訟は、最高裁に到達するずっと前に、下級裁判所によって却下されている。最高裁は、インターフェースと、インターフェースの背後にあるコード実装を正しく区別したのだ。インターフェースの定義はコンピューターで実行できることについてのアイデアそのものであるのに対し、実装コードはそのアイデアを表現したものである。
部屋を作る場合に例えて説明しよう。2つの窓とクローゼット、壁に埋め込む形の本棚が欲しいとする。それは、著作権で保護されないアイデアだ。それぞれの建築家が独自の図面を通して、そのアイデアをさまざまな方法で表現することができ、その図面は著作権で保護される。最高裁はインターフェースのアイデアを宣言するコードについて、著作権で保護されるかどうかは言及しなかったが、著作権で保護されないアイデアそのものと、著作権で保護されるアイデアの表現のどちらとも受け取れることから、グレーゾーンであると言える余地を作り出した。そのグレーゾーンのおかげで、フェアユースの原則を適用しやすくなり、イノベーションを妨げる要素も排除しやすくなる。
インターフェースを宣言するコードを記述できる方法はそれほど多くないという事実も、Googleに有利に働いたようだ。
からの記事と詳細 ( ついに決着、グーグル対オラクルのJava訴訟--判決の意味を考察 - CNET Japan )
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