ソウル=鈴木拓也、北京=高田正幸
韓国のミサイル開発を制限してきた「米韓ミサイル指針」が撤廃された。開発の自主権を回復させたい韓国と、対中牽制(けんせい)を狙う米国の思惑が重なり、21日の首脳会談で合意した。韓国はこれまでの制限だった射程800キロ以上の中長距離弾道ミサイルを開発できるようになるが、軍拡競争を懸念する声も上がっている。
「うれしい気持ちでお伝えする。韓米同盟が堅固であることを対外的に示す象徴的で実質的な措置だ」。韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は21日、バイデン米大統領との会談後の共同会見で、ミサイル指針の撤廃合意を自画自賛した。撤廃は韓国側の強い要望だったという。
米韓ミサイル指針は1979年に結ばれ、米国がミサイルの技術を提供する代わりに、韓国が開発できるのは射程180キロ、弾頭重量500キロに制限された。当時のカーター米政権が、韓国の核保有につながる開発を懸念したとされる。指針は2020年までに4回改訂され、巡航ミサイルや弾頭重量の制限はなくなったが、弾道ミサイルの射程800キロ制限が残っていた。
安全保障を他国に頼らない「自主国防」を理念とする文氏は、米軍が握る戦時作戦統制権の韓国軍への返還を目指してきたが、返還に向けた準備は進んでいない。ミサイル指針の撤廃は、これに代わる「成果」となる。韓国国防省報道官は、重要な軍事技術を流出させる心配はないとの信頼を米国から得たことになり、「(韓国の)力量と地位が反映された」と強調した。
韓国メディアも「ミサイル主…
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