エジプト・スエズ運河で3月に座礁し、通行と国際貿易を妨げた大型コンテナ船、エヴァーギヴン号が7日、ようやく出航した。エジプト当局と船主や保険会社が、賠償をめぐって合意した。
エヴァーギヴン号はこの日午前11時半過ぎ、いかりを揚げて出航した。曳航(えいこう)船に付き添われ、地中海に向けて北上した。
エジプトのテレビ局は、船上で船長と乗組員に花束と盾が贈られた模様を放送した。
同船は座礁から約3カ月間、運河沿いの都市イスマイリアの近くに留め置かれていた。
合意内容は明らかにされなかった。エジプト側は5億5000万ドル(約608億円)を要求していた。
<関連記事>
6日間のサルベージ作業
地中海と紅海を結ぶ全長約193キロのスエズ運河は、アジアとヨーロッパをつなぐ最短の航路だ。
その後、多数のタグボートやしゅんせつ船によるサルベージ作業が6日間続けられ、同船は離礁した。この作業で1人が死亡した。
以降、スエズ運河庁(SCA)は、エヴァーギヴン号を所有する正栄汽船(愛媛県今治市)に対し、サルベージ作業の費用の支払いや、運河の土手の損壊などへの賠償を求めてきた。
保険会社が当初の請求を拒絶
SCAは当初、サルベージ作業の成功ボーナス3億ドルや、社会的評価の損失に対する賠償3億ドルを含め、計9億1600万ドルの損害賠償を請求した。
しかし、正栄汽船の第三者賠償責任保険を引き受けるUKクラブは、「法外に多額」、「大部分は根拠がない」として、この請求を拒絶した。
SCAはその後、請求額を5億5000万ドルに引き下げた。最終合意の中身は明らかにされていないが、数日前に合意に達し、7日に同船の解放と合わせて署名された。
正栄汽船の親会社・今治造船の檜垣幸人社長は、今後も正栄汽船はSCAの「お得意客」として取引を続けると述べた。
エヴァーギヴン号は現在、インド人乗組員が乗船し、約1万8300個のコンテナを積んでいる。エジプト北東部ポートサイドでダイバーらによる検査を受けてから、オランダ・ロッテルダムに向けて航行する予定。その後、イギリス・フィーリックストウ港に移動してコンテナを降ろすと、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。
スエズ運河で取材するBBCのサリー・ナビル記者は、座礁の原因をめぐって調査が実施されたが、結果はまだ発表されていないと伝えた。
からの記事と詳細 ( スエズ運河ふさいだコンテナ船、航行を再開 賠償の合意受け - BBCニュース )
https://ift.tt/2TOHpNp
No comments:
Post a Comment