シリア越境支援継続を決議 米ロがぎりぎりで合意―国連安保理 - 時事通信ニュース

2021年07月10日07時06分

トルコ国境にあるバブアルハワ検問所を通過し、シリア北西部イドリブ県に入る国際人道支援のトラック＝２０２０年９月（ＡＦＰ時事）

　【ニューヨーク時事】国連安全保障理事会は９日、内戦下のシリアに対し、隣国トルコからの越境支援を実質１年間延長する決議案を全会一致で採択した。決議を採択できなければ、数百万人への支援が途絶える恐れがあったが、１０日の期限直前に米ロが妥協案で合意。安保理で珍しい結束が示された。

シリア越境支援、途絶の恐れ　延長めぐり米ロ対立

　越境支援はシリア政府の承認なしに支援物資の搬入を可能にするもので、２０１４年の安保理決議で４カ所の越境地点からの搬入が認められた。しかし、ロシアが縮小を求め、２０年に北西部イドリブ県のバブアルハワ検問所の１カ所のみとなった。イドリブ県はトルコの支援する反体制派が拠点を置く。
　トーマスグリーンフィールド米国連大使は採択後、「われわれが達した人道的合意は文字通り人命を救う」と演説。ロシアのネベンジャ国連大使は「ロシアと米国が全理事国の支持を得た決議案を初めて共同提案した歴史的瞬間」と評価した。

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