【11月14日 People’s Daily】アプリをダウンロードする際にアクセス権限を許可したり、店舗に入ったりするうちに、知らない間に個人情報を取得されている…。ビッグデータの時代、人々はデータがもたらす利便性を享受する一方、個人情報の過剰な収集に悩まされている。人民大学(Renmin University of China)が数十万ものアプリを調査したところ、権限の許可を求めるアプリは30種類以上あったが、その多くがアプリ本来の機能を実行するのに必要ではなかった。
こうしたアプリが収集した個人情報はビジネスや広告に利用されている。あるアプリ開発者によると、個人情報の集積により、ビッグデータから人々がどんな仕事をしており、どこによく行くかまで把握できるという。
集めた情報からユーザーのニーズを分析することは、消費者の利益につながる。しかし最近はビッグデータを悪用し、食事の出前やホテルの予約、タクシーの手配などで、初めての客の価格を下げて熟客(常連客)の価格をつり上げる「ビッグデータ殺熟」と呼ばれる問題が起きている。
仮想データ空間の管理は事業者の自主規制に頼るしかないが、セキュリティーが強固でなければ情報漏えいが発生しやすい。さらに問題なのが、事業者がデータを違法に取り引きすることだ。
個人情報を適切に保護するため、中国では11月1日に個人情報保護法が施行され、個人情報保護の原則と取り扱いのルールが明確化された。個人情報の取り扱いで市民の権利を侵害してはならず、情報の収集は目的達成のため必要最小限に限ると定めている。
個人情報保護法は、権限の一括承認や強制的な同意の取り付けといった問題も規制している。事業者は個人情報の処理や提供、開示、海外へのデータ移転などについて本人の同意を得なければならないと規定。本人が同意しないことを理由に製品やサービスの提供を拒否してはならず、ユーザーが同意を撤回した場合は個人情報を削除するよう求めている。
「ビッグデータ殺熟」については、事業者は判断の透明性と結果の公平性を確保し、取引価格などで差別的扱いをしてはならないと明記している。
個人情報保護法では生体情報、特定のID、医療・健康、銀行口座、住所などを特に機密性の高い個人情報に分類。特定の目的があり、厳格な保全措置が講じられている場合にのみ取り扱うことが認められるとし、その必要性や影響を本人に通知するよう求めている。
2020年末段階で中国のインターネット人口は9億8900万人に達している。膨大な数のユーザーはデジタル経済発展の基礎であり、集積されるデータはデジタル経済の推進力となっている。専門家は「個人情報の保護とデジタル経済の発展は相反するものではなく、個人の権利・利益の保護と合理的な情報の利用、セキュリティーのバランスを取ることが重要だ」と指摘している。(c)People’s Daily/AFPBB News
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