インターネット上の通信販売サイトなどを利用する人が増えている。消費者が安心して利用できるよう、広告主も不適切な広告の排除に責任を果たす必要がある。
消費者庁の有識者会議がネット上の悪質な「アフィリエイト広告」について、広告主の責任を明確化する提言をまとめた。
アフィリエイト広告は、「アフィリエイター」と呼ばれる広告作成者が自らのサイトやSNSに商品の広告を掲載する。仲介業者を通じて広告主と事前に提携し、広告を見た人が商品を購入すると、広告主から報酬を得られる。
この広告の2024年度の市場規模は約5000億円に上る見込みという。広告主が、手軽に発注できる点が魅力なのだろう。
一方で、「たった3週間でシミが消えた」といった誇大な宣伝も後を絶たない。広告主が、「作成者が勝手にやった」と責任回避する事例も問題化している。
提言はアフィリエイト広告について、「広告主が責任を負うべきだ」と指摘し、広告内容の確認や相談窓口の設置などを求めた。広告であることの表示や悪質な作成者との契約解除も要請した。
全国の消費生活センターなどに寄せられたネット広告に関する相談は20年度、11万件を超えた。アフィリエイト広告に関連する苦情も目立つという。消費者の泣き寝入りを防ぐためにも、規制強化は妥当な判断である。
消費者庁は今後、提言に沿って景品表示法に基づく指針を策定する。広告主や業界団体が自主規制に取り組むことも大切だ。
ネット通販を巡っては、昨年、通販サイトの運営会社にもトラブル発生時に消費者を保護するよう求める法整備が行われた。
6月には改正特定商取引法も施行される。「初回無料」と宣伝しながら、実際は定期購入契約を結ばせる「お試し商法」などを規制し、購入時の確認画面で契約内容の明示を事業者に義務づける。
口コミを装い、広告と明示しない「ステルスマーケティング」も横行している。消費者を惑わす行為であり、問題だ。
政府は今月、有識者による検討会を発足させ、ステルスマーケティング対策などの検討に着手した。今後もネット社会に対応した環境を整え、健全な取引ができるように努めるべきだ。
消費者も広告や口コミを
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