宗教団体の信者を親に持つ「宗教2世」が信仰の強制などは児童虐待にあたると訴えている問題で、厚生労働省は27日、児童相談所(児相)向けの対応指針を公表した。子どもの自由な意思決定を阻むため「地獄へ落ちる」と脅すことなどが、虐待に当たると明記。必要な場合には、児相がためらわずに一時保護するよう求めている。同日中に全国の児相や自治体に通知する予定だ。
加藤勝信厚労相は同日の閣議後記者会見で「実際に被害に苦しまれた方の意見を踏まえながら、相談対応の留意点を盛り込んでいる。宗教の信仰を含め、理由のいかんを問わず児童虐待は決して許されるものではない」と強調した。
指針では、身体的虐待にあたる事例として、宗教活動を強制するため、平手でたたいたり、むちで打ったりすることを挙げた。子どもの進路や就労、交友、結婚などを阻むため言動で脅すほか、友人や教師を敵視し、強い恐怖心を与えるといった例も心理的虐待に当たるとした。
認定NPO法人「児童虐待防止協会」の津崎哲郎理事長は、具体的な事例を示すことが虐待防止につながると同時に「児相が動きやすくなる」と評価する。一方、子どもが信仰の影響を強く受けている場合、児相を含めた第三者の介入が困難で「心理的虐待やネグレクトであれば、さらに判断しづらい。一時保護したとしても、帰宅させるか、施設に入所させるか、判断が難しく課題が残る」と話す。
宗教2世への虐待は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題をきっかけに表面化。「信教の自由」とのバランスで、行政が対応に悩むケースもあり、宗教2世からは指針の作成や法整備を求める声が上がっていた。【小鍜冶孝志、奥山はるな】
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