Pages

Monday, August 28, 2023

企業向けAIチャット「Microsoft Bing Chat Enterprise」の実力 - ITpro

全1788文字

 米Microsoft(マイクロソフト)が2023年7月、企業向けAIチャット「Microsoft Bing Chat Enterprise(以下、Bing Chat Enterprise)」を発表した。一般向けの「新しいBing」と比べて、情報が漏洩しないようにデータを保護する機能が備わっている。Microsoft 365の企業向けプラン(詳細は後述)では、2023年8月からデフォルト(既定)で有効化された。早速使ってみよう。

 なお、本連載ではMicrosoft 365 Business Standardのプランで、主にWebブラウザー経由で動作を確認している。バージョンや仕様変更によっては、ここで説明する機能が使えない場合や画面が異なる場合がある。

入力データは学習にも使用されない

 Bing Chat Enterpriseには、データを保護するための機能が備わっていて、組織内のユーザーや業務データが外部に漏洩しないようになっている。業務でチャットを使えば、機密情報をやりとりすることがあるだろう。Bing Chat Enterpriseでは、チャットでやりとりするデータは保存されることがなく、マイクロソフトがアクセスすることもできない。また、AIの基になるモデルの学習にも使用されない。

 Microsoft 365の次のプランを契約していれば、追加料金なしに利用可能だ。

  • Microsoft 365 E3、E5
  • Microsoft 365 Business Standard
  • Microsoft 365 Business Premium

 なお、教員向けのMicrosoft 365 A3、A5のライセンスの場合は、2023年9月下旬ごろから既定でオンになる見込み。学生は利用できない。

 Bing Chat Enterpriseのスタンドアローンプランの提供も予定されている。1ユーザー当たり月額5米ドルで提供される見込みだ。

WebアクセスにはEdgeを使う

 Bing Chat EnterpriseをWebアクセスで利用するときはEdgeを使う。Bing Chat Enterpriseが有効になった状態で、Microsoft 365の該当するライセンスを有したアカウントでサインインして「Bing」のAIチャットにアクセスすると、Bing Chat Enterpriseの画面が表示される。

企業向けのAIチャットのBing Chat Enterprise。Microsoft 365の該当するライセンスを有したアカウントでサインインすれば、2023年8月下旬からは既定で有効になっているはずだ

企業向けのAIチャットのBing Chat Enterprise。Microsoft 365の該当するライセンスを有したアカウントでサインインすれば、2023年8月下旬からは既定で有効になっているはずだ

(画像:阿部 香織)

[画像のクリックで拡大表示]

 Bing Chat Enterpriseは、回答を表示する「Bing」に結果を渡す前に職場のIDが削除される仕様になっている。また、表示される回答は「Bing」によってユーザーや組織にリンクされることはなく、Microsoftサービス規約に基づくとしている。

 詳細については、マイクロソフトのWebサイト(https://learn.microsoft.com/en-us/bing-chat-enterprise/privacy-and-protections)で確認してみてほしい。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 企業向けAIチャット「Microsoft Bing Chat Enterprise」の実力 - ITpro )
https://ift.tt/NGo49TM

No comments:

Post a Comment