イラスト: 高田 真弓
化学物質や新技術などが、人の健康や環境に対して重大で取り返しのつかない影響を及ぼす恐れがある場合、科学的な因果関係が十分証明されていなくても規制措置を可能にする考え方を「予防原則」と呼びます。「絶対に安全」とも「絶対に有害」とも判別付かない段階でも、後悔するよりも先に安全策を取る考え方と言えます。
欧州連合(EU)の環境政策は、予防原則などに基づいて環境を保護する方針を明確にしています。EUの化学物質規制である「REACH規則」も、予防原則を重視しています。1960~70年代のドイツの環境政策で採用されはじめ、その後、92年の国連地球サミットで発表された「リオ宣言」では、「環境を保護するため、予防的措置を広く適用すべき」と言及しました。
EUは予防原則に基づき、1万種類以上にも及ぶPFAS(有機フッ素化合物)の使用などを制限する規制を、2025年中に発効させる方針です。PFASは生物や環境に蓄積し、分解されづらいため、人の健康などへの影響を予防することが目的とみられます。
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