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今を生きる私たちが沖縄の未来を見ていくシリーズ「IMAGINEおきなわ」です。まずはこちらをご覧ください。これは少し前のゴールデンウィークに県が行ったキャンペーンの一部です。何故こんなキャンペーンが必要なのでしょうか?
県内ではやんばるなどで、一部の心ない人による犬や猫の置き去り、遺棄が後を絶ちません。ペットの遺棄・虐待は動物愛護法に違反する犯罪ですが特に人の動きが活発化する長期休暇中は動物の遺棄などが増加すると言われています。動物たちを棄てる人がいる一方で、必死に助けようと活動している人々がいます。
週末の夜。家族や大切な人と食事を楽しむ人々。その向こうにいるのは、ネコ!?
猫とワイン:村上吉弘さん「飲食店をやりながら保護猫、野良猫の問題をちょっとでも解決できるような取り組みが出来ないかなと思って」
救える命といただく命が共存するお店に潜入です!
読谷村長浜に先月オープンしたビストロ「猫とワイン」。北海道出身のオーナーシェフが切り盛りするお店ではエゾシカ肉をワイルドに盛り合わせた「森のユク 蝦夷焼(えぞやき)グリルセット」や北海道のご当地グルメ「ラーメンサラダ」、「ホタテの赤ちゃんのワイン蒸し」など、沖縄では珍しい北海道料理と食事に合わせたワインを楽しむことができます。
ですが、お店の奥に進むと普通のビストロとちょっ~と違う光景が広がっています。ガラスの向こうにいるのは、保護猫たち。そう、この店は保護猫を見ながら食事やワインをいただく「保護猫ビストロ」なんです。
来店客が「この猫を引き取りたい!」と思ったら条件などを話し合って譲渡もできますよ。
あれは何? 天野まさたか君「ねこ!」ここでねこ見てご飯食べるのどんな気持ち?「めっちゃくちゃ嬉しい!」
まさたか君のママ「猫が見たくてこの席です。5匹飼っていた。5匹でも大変なのにまさかこんなにっていう。」「殺処分される寸前だったように見えない猫たちばかり、お腹出して寝ていたり本当に安心しきって幸せなんだろうなっていうのが見てすぐわかるので」
オーナーシェフの村上さんは約20年前に北海道から沖縄に移住。観光業やホテルのレストランなどで働いたのちに5年前ここ読谷で第1号店となるビストロ「SMOKEHOUSE225(スモークハウスにー・にー・ご)」をオープンします。
その一方で村上さんはある事に気づきます。
猫とワイン:村上吉弘さん「飲食店を路面店でやることによって野良猫がやって来るようになって、最初は「あ、野良猫だ」みたいな感じでいたんですけど、その野良猫と仲良くなって、ケガをしたり痩せていたりするので、そこで野良猫って何なんだろう大変だ、かわいそうだって思い始めて」
村上さんは次々と猫たちを保護し、今では7匹と一緒に暮らしています。そして読谷を中心に活動する保護猫団体「Community Cat Care、(コミュニティ・キャット・ケア)、CCC(シーシーシー)」の存在を知り、一緒に活動するようになりました。
フロアには接客するスタッフとは別に、猫たちの世話や来店した人に猫の説明をする女性の姿が。「生きものがかり」として村上さんと一緒に保護活動を行う団体のメンバーです。
CCC代表理事:伊波 清香さん「最初はTNR、猫を捕獲して不妊手術を施して元いた場所に戻すということを始めた、あまりにも野良猫が多かったので。」
「TNR」とは「Trap・Neuter・Return(トラップ・ニューター・リターン)を略した言葉で、野良猫を捕獲し、不妊・去勢手術を施し、元いた場所に戻す活動のことです。この活動を続けていくうちに伊波さん達は酷いケガをしていたり病気があるなど健康状態が悪い猫も保護する機会が多くなりました。そんな猫たちを治療し、里親に繋げるために面倒をみる「シェルター」が必要になりますが、このシェルターとなる場所の確保が難題でした。
そこで村上さんがこの形態のお店を提案したのです。
猫とワイン:村上吉弘さん「持続可能な保護猫シェルター、飲食店が稼働することによって保護猫シェルターが維持できる、公開型にすることによって譲渡につながったり地域の方々へ野良猫の問題とか地域の問題というのを解決する糸口みたいなことができないかなと思って」
「命の循環型飲食店」というコンセプトを掲げ夜はビストロ、定休日には譲渡会や保護猫との触れ合いの機会、啓発活動などを行います。
CCC代表理事:伊波 清香さん「いつもそうなんですけど猫たちの生命力に本当にこっちが頑張んなきゃみたいな感じになります。」
交通事故に遭い、脳に障害が残った「うるし」もここで手厚いケアを受けて「ずっとの家族」との出会いを待っています。
猫とワイン:村上吉弘さん「猫が好きな方はもちろん楽しめると思うんですけど、同行されている方とかも、あ、こんな問題があるんだね、野良猫ってこういう事情があるんだというのを、ちょっとずつでもお客様にわかっていただけたらなと思います。」
近所のオバーたち「外の雰囲気と全然違う、普通の自宅という感覚で入ってきたらすごいなと思いましたけどね。」味はどう?「ワインに合いそうな。(猫と)触れ合ってみたいなとは思いますけどね」
北谷の小学校の先生「(猫たちも)一緒に生きている仲間として何かできることはないかなということで、命というのはひとつだよね、だから猫の命も人間の命も大事にしなきゃいけないよというのを感じられる場所」
CCC代表理事:伊波 清香さん「沖縄県の人たちがもっと保護猫、野良猫に関して意識を持ってもらってショーケースに売られている猫たちを迎えるのではなくて、保護猫を家族にっていう意識をもってもらえるような流れは作っていきたいなと思っています。」
猫とワイン:村上吉弘さん「犬も猫も他の動物もすべてみんな感情があって、一生懸命生きているので携わるのであればきちんと最後まで家族の一員として生きていけるような覚悟をもって取り組んでいただきたい、世の中にはまだ全然発覚していないいろんな事故・事件みたいな動物絡みのものがあると思いますので、そういう事がない、本当に沖縄らしい平和な命が大事という県になって欲しいと思います。」
おいしくて、楽しくて、命を救う。命の循環型飲食店が誕生しました。
保護猫部屋は2つ設けられていて、ひとつはレストランから見える、この部屋にいる猫たちは「いつでも里子に出られる」、もうひとつ奥の方にある部屋の猫たちは病気があったりチビ過ぎたりして未だケアが必要な猫たち。分けることでより手厚いお世話ができる。
動物の保護活動は基本的に費用は(一部のTNRなどを除いて)全額、保護する側の「持ち出し」になります。高額になる医療費や世話ををするために必要となる場所や費用を確保するのためにこのような形に辿り着きました。
内装等も手作りで、村上さんとスタッフの皆でひとつひとつ、考えて話し合いながら作っていったということです。例えば、食事をしているお客さまから猫のトイレが見えない位置に配置するとか。
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からの記事と詳細 ( #IMAGINEおきなわ64 保護猫活動×ビストロ=「猫とワイン」 - QAB 琉球朝日放送 )
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