辰野町の武居保男町長は三十日、町立小中学校五校の既存校舎をキャンパス化し一校に統合する試案を、「合意形成が困難」などとして撤回した。町民会館で開いた、町と町教委による総合教育会議で説明した。試案では少人数教育を生かしたキャンパスに位置付けた川島小学校については、廃校に向けた協議を進める方針を示した。
試案は、川島小を存続させ、既存校舎をそれぞれ特色ある教育をするキャンパスとして活用する内容。町内を一学区とし、児童は通う校舎を自由に選べるとしていた。川島小は町内他学区から通学できる小規模特認校に指定されていることから、武居町長は「不登校児童の受け皿となり得る」と存続を主張していた。
一方で、町立小・中学校あり方検討委員会が二〇一七年、「規模が十人に満たず、増加の見通しが立たない」学校を統廃合の対象とするよう答申したこともあり、町教委は、児童数が十人前後で推移している同校の統廃合を検討する方針を示していた。
武居町長は三十日、「(試案に)大きな反響があり、賛否両論ある中で熟考し、撤回を決めた」と述べた。予算や教員配置など具体的な内容の検討が不十分で合意形成に時間と労力がかかること、教育現...
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