2021年10月06日07時06分
多国籍企業の税逃れを防ぐ新たな国際課税ルールをめぐり、経済協力開発機構(OECD)は8日にも事務レベル会合を開く。柱となる二つのルールのうち、法人税の最低税率は15%とする案が出ているが、低税率国の合意を得られるかはなお不透明。経済のグローバル化とデジタル化に対応した国際課税制度をめぐる議論は、最終合意へ正念場を迎える。
OECDが主導する協議には140カ国・地域が参加。これまでに130以上の国・地域が大枠合意した。2023年の導入が目標。制度の詳細について事務レベルで合意した上で、12、13両日に開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で閣僚レベルの最終決着を目指す。
鈴木俊一財務相は5日の閣議後記者会見で「100年ぶりの(国際課税原則の)変更であり、実現できればと思っている」と意欲を示した。
最低税率の導入は、法人税の引き下げ競争に歯止めをかけることが狙い。大枠では「15%以上」とすることで合意しているが、低税率国のアイルランドなどの支持が得られておらず、実際の税率をどの水準に設定するかが焦点となっている。最低税率を「15%」とした上で、一定の「適用除外」を設けることなどで調整が行われている。
もう一つの柱であるデジタル課税は、工場などの拠点を持たずに事業を展開する巨大IT企業を念頭に、サービス利用者がいる市場国・地域に利益の一部を分ける仕組み。売上高200億ユーロ(約2.6兆円)超の企業を対象に、利益率が10%を超える部分の20~30%分の課税権を配分する方針で、具体的な水準を詰める。このほか、欧州などで導入されている独自のデジタルサービス課税の取り扱いも検討課題となっている。
国際課税の議論は12年に本格化。新型コロナウイルス禍に伴う大規模な財政支出の財源を確保する必要性などから国際的な機運が高まっている。
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