中国と米国は10日に共同声明を発表し、地球温暖化のペース鈍化に向けて協力すると表明した。事前に予定されていなかった声明発表で、終盤に入った国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に活気が戻った。地政学的に対立し、同会議の多くの場面で意見が一致しなかったように見受けられる両国が、めずらしく協力姿勢を打ち出した。
米中両国はメタンや不法な森林破壊への対応などで温室効果ガス排出量を削減する取り組みを強化することで合意した。中国側の気候変動問題担当特使である解振華氏が記者団に明らかにした。米中は重要な10年間となる2020年代に行動を強化するための作業部会を設置し、来年上期に会合を開く。ケリー米大統領特使(気候変動問題担当)は作業部会が「具体的な」措置に重点を置くと説明した。
解氏は世界の二大経済大国として「われわれは気候変動への対応に積極的に取り組む必要がある」と指摘。ケリー氏は「米中は相違点が尽きないが、気候変動においては両国の協力がこの仕事を成し遂げる唯一の道だ」と強調した。2人は別々の記者会見で発言し、解氏の会見が先だった。
世界の平均気温の上昇幅を抑える措置を加速させる方法を巡って緊張した議論が続くCOP26は、この発表で雰囲気が変わった。2015年に締結されたパリ協定の下地を作ったのも、米中の二国間合意だった。
シンクタンクE3Gの共同設立者ニック・マベイ氏は「この重要性は地政学的なものだ」とした上で、「米中はここ数日の進展を台無しにしていた言葉の戦争を終わらせることをほのめかした」と述べた。
解氏によると、米中は気温上昇をできれば1.5度以内に抑えるというパリ協定の目標を再確認し、現行の政策と必要な措置のギャップを認識した。また気候変動を巡る資金提供や、世界的な二酸化炭素(CO2)排出権取引市場の創設に向けた規則に関する合意を含め、COP26の成功を後押しする姿勢を示した。
中国はただ、メタン排出量を30年までに20年比で30%削減するという、米国と欧州連合(EU)が打ち出した世界的枠組みへの参加は見送った。中国は独自の国家計画を策定すると解氏は表明した。
原題: U.S.-China Climate Deal Breaks Through Superpower Standoff (2)(抜粋)
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