エイベックスなどのIPホルダーやブロックチェーン推進企業など34社が加盟する一般社団法人JCBI(ジャパン・コンテンツ・ブロックチェーン・イニシアティブ)と加入企業が連携して、コンテンツNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)の著作権の情報を一元管理できる著作権流通システムの本番利用を近く始める。JCBIは、ブロックチェーン等の先端技術を基点にコンテンツ業界のDX化を企業横断で推進する団体。コンテンツNFTを正規流通させるための仕組みを検討する実証実験を進めてきたが、本運用して市場の活性化を促す。
「(米国のNFTマーケットプレイスである)OpenSeaの無料機能で作成し販売されているNFTの80%が偽物」と危機感を募らせるのがJCBIの伊藤佑介代表理事だ。OpenSeaは、権利者がデジタルコンテンツをNFT化するための機能を無料で提供している。これを利用してNFT化されるコンテンツについて2022年1月、「このツールで作成されたアイテムの80%以上は、盗用された作品、偽のコレクション、およびスパムだった」と公式ツイッターで公表した。これに対応するためNFTの発行枚数に制限をかけることも発表したが、ユーザーの反発に遭って制限措置を取り消した。
コンテンツにひも付く証明書としてのNFT自体のデータは改ざんできないが、問題となっているのは、何のコンテンツにひも付けてNFTを作成するか、ということだ。OpenSeaが提供しているような無料のNFT作成・販売機能を使えば、ネットで違法に集めたデジタルコンテンツを無許諾でひも付けたNFTを作り、販売することもできる。デジタルコンテンツは権利侵害の違法コピーコンテンツが繰り返し問題となるが、「NFTでも同様のことが起こっている」と伊藤氏。許諾が得られていないコンテンツを勝手にひも付けたNFTを作成する偽物が増えているというのだ。
OpenSeaが公表したのはあくまでOpenSeaの無料機能を使ってつくられたNFTについてで、国内のNFTマーケットの事情は異なるが、NFT事業にかかわる人なら権利侵害などの課題があることは理解しておくべきだろう。
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