東日本大震災の津波で多くの児童と教職員が犠牲になった石巻市の大川小学校は、これまで補修などを行わずに保存されてきましたが、9日、遺族らが見守る中、劣化が激しくなった部分を保護する作業が初めて行われました。
石巻市の大川小学校では、震災の津波で児童と教職員あわせて84人が犠牲になり、市は、慰霊と追悼、それに教訓を後世に伝えるため、震災遺構として整備し、補修などを行わずに、そのままの形で保存しています。
しかし、劣化が進んできたことから、遺族の一部からは補修をのぞむ声が出てきていました。
これを受けて、市内の塗装会社が無償での協力を申し出て、市側も了承したことから、9日、初めて保護する作業が行われました。
作業が行われたのは、校舎の隣にあるステージの側面に震災前、卒業生が描いた絵で、色が薄くなったり、コンクリートがはげ落ちたりして劣化が進んでいました。
市の担当者や遺族が見守る中、塗装会社の担当者が、日焼けや雨風による劣化を防ぐ透明のコーティング剤を丁寧に塗っていました。
作業を行った塗装会社の留畑豪紀社長は「これ以上、劣化が進むと亡くなった子どもたちもかわいそうだと思います。できることは協力したい」と話していました。
また、当時6年生だった三男を亡くした佐藤和隆さんは「震災の教訓を伝える場として残したからには、数十年以上、現状を維持する形で補修してほしいですが、きょうはその一歩を踏み出したと思います」と話していました。
からの記事と詳細 ( 震災遺構 石巻の大川小学校 劣化進む部分に初めて保護作業|NHK 東北のニュース - nhk.or.jp )
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